可愛い人 ページ14
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寮の扉まであとほんの少しという所で後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。振り返り目を凝らすと先程、別れたばかりの鬱様だった。
ut「Aちゃ…ん！……ぜぇ、はぁ………すー…はー…」
走ってこられたからか息が切れ、額にうっすら汗が浮かんでいた。
『ど、どうかされましたか…？』
ut「いやあんな、僕一応あの事件があった次の日にAちゃんの事、人事のトントンに聞いて探しとったんよ。そん時トントンに要件があるなら伝えとくでって言われたんだけどさぁ、僕がちょっとあやふやに誤魔化したからなんかやらかしたんちゃうんかって疑われてしもうてな…トン氏にもし何か聞かれても答えないで誤魔化しといて欲しいねん…」
この通り！頭の上で手を合わせ頭を下げる鬱様
『鬱様！頭を上げてください！幹部様が頭を下げるほどの頼み事ではありませんし…そんなことならいくらでも承りますから』
ut「うっうっありがとなぁ。情報部だからって全然訓練せん！ってだけでも怒られとんのに、ガバって人殺しかけたなんて聞いたらもうこうや！」
手で鬼の角をジェスチャーする。表情がコロコロ変わるその姿を見て先程までの女性慣れしているプレイボーイという印象を持っていたけど私の中でその印象が塗り変わった。多分、少なくとも私より年上であり、さらには幹部である鬱様が私や、他の平民と変わらない他愛のない職場での話や同僚とのやり取りを笑って同じ目線で話してくれるこの人のことを可愛らしいと感じた。
『鬱様は案外可愛らしい方ですね』
ut「なに！？急に！恥ずかしいからやめてよ！！もう行くわ！」
『ふふっ大変失礼致しました。本日のお仕事も頑張ってくださいねー！』
遠くなる背中に向けて聞こえるようにできる限り大きな声で見送った。さて、私の長い一日もここから始まるのだ。気を引き締めて寮の扉を引いた。
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鰻谷(プロフ) - もちもちのワイ氏さん» うわー！ありがとうございます！私自身、この小説をどういう話にしようか迷いながら書いているので感想をもらったらとても嬉しく拝見させていただいています。急に主人公と仲良くなりすぎないよう、かと言って距離感が離れすぎないよう注意しながら書いてます笑 (2020年12月2日 14時) (
レス) id: 71a90d328b (このIDを非表示/違反報告)
もちもちのワイ氏(プロフ) - コメント失礼します！面白いですね！更新頑張ってください (2020年12月1日 18時) (レス) id: 9dda80ef47 (このIDを非表示/違反報告)
鰻谷(プロフ) - チョコ狐さん» ひょえ…作者はご覧の通りガバガバです…探せばいっぱいこういうの出てくるかもです。教えてくださりありがとうございます！なおします！！ (2020年10月28日 17時) (レス) id: d5acdae17c (このIDを非表示/違反報告)
チョコ狐 - あれ？危機一髪のところの最後らへんの『気にしないでくださいね！』が『気しにないでくださいね！』になってません？間違いだったらごめんなさい。あと、めちゃめちゃ好きなんで更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月28日 16時) (レス) id: fa7ecfc75a (このIDを非表示/違反報告)
鰻谷(プロフ) - クレアさん» コメントありがとうございます！趣味でやっている小説なので気にしないでください！ (2020年10月27日 19時) (レス) id: 71a90d328b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鰻谷 | 作成日時：2020年10月19日 2時
