自然 ページ12
・
ut「城まで一緒してもいいかな…えーっと」
『申し遅れました。本日から正式に城勤めとなりますAと申します。鬱様がよろしければ、城までぜひ、御一緒させて下さい』
ut「Aちゃんか、改めまして鬱です。よろしく頼んます〜」
道中、鬱様は色々な話をしてくださった。私が抱いていた違和感の正体もここで分かった。この国の幹部様達は、言い争いが普段からあり、城の一部が壊れるのは日常茶飯事で使用人は嫌でも慣れるらしい……
後はまだあっていない幹部様のこと所属する部署の事を教えてくれました。今更だけど私、国のトップに挨拶できてない。でもあの日総統室にいなかったんだよなぁ……特に予定もなかったはずなのだけどと、パティさんもぼやいていた。
談笑しながら歩いているとあっという間に城に着いた。幹部様だと言うのにとても気さくで話しやすい鬱様。コミュニケーション能力の塊なのでしょうか
ut「あ、忘れとった。これ貰ってくれんか？」
『なんでしょう？』
鬱様がポケットから小さな箱を取りだした。
ut「開けてええよ」
失礼しますと箱にされていた封をゆっくり、破れないように剥がすと中から出てきたのは青いリボンだった。手触りもよく色も真っ青という訳ではなく暗い青というのがまた高級感を漂わせていた。
『い、いただけません。これとても高価なものではありませんか？なぜ私に…？』
ut「髪留め壊しちゃったのと怖い思いさせちゃったお詫び。あんなことしてしまったし見える形でお詫びさせて欲しいなぁ」
『で、ですが見た感じ少々高価すぎではありませんか？私特に気にしてませんし…』
ut『ええやん！僕がつけて欲しいってのもあるしな！なかなか選ぶの時間かかったんやで？普段使い出来るようにあまり派手にならんようきをつけてん。真っ青のを送る訳いかんやろ？あんま色味いじったら他のやつらの色っぽくなるしな…』
『は、はあ…？そうなんですね？』
ut「あんま分かってへんのに返事するもんやないで。言質取ったとか言うやつここにはいっぱいおるからな」
そう言いながら私の手の中の箱からリボンを取り出し、私の髪にリボン結びで巻き付けた。
ut「似合ってる。じゃ貰ってな！」
と走って城内に走って言ってしまった。
とても自然にものを頂いてしまった。鬱様は相当なプレイボーイなのでは？と考えつつ、貰ったリボンを撫でながら私は使用人寮までの道のりを駆けて行くのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1607人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鰻谷(プロフ) - もちもちのワイ氏さん» うわー！ありがとうございます！私自身、この小説をどういう話にしようか迷いながら書いているので感想をもらったらとても嬉しく拝見させていただいています。急に主人公と仲良くなりすぎないよう、かと言って距離感が離れすぎないよう注意しながら書いてます笑 (2020年12月2日 14時) (
レス) id: 71a90d328b (このIDを非表示/違反報告)
もちもちのワイ氏(プロフ) - コメント失礼します！面白いですね！更新頑張ってください (2020年12月1日 18時) (レス) id: 9dda80ef47 (このIDを非表示/違反報告)
鰻谷(プロフ) - チョコ狐さん» ひょえ…作者はご覧の通りガバガバです…探せばいっぱいこういうの出てくるかもです。教えてくださりありがとうございます！なおします！！ (2020年10月28日 17時) (レス) id: d5acdae17c (このIDを非表示/違反報告)
チョコ狐 - あれ？危機一髪のところの最後らへんの『気にしないでくださいね！』が『気しにないでくださいね！』になってません？間違いだったらごめんなさい。あと、めちゃめちゃ好きなんで更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月28日 16時) (レス) id: fa7ecfc75a (このIDを非表示/違反報告)
鰻谷(プロフ) - クレアさん» コメントありがとうございます！趣味でやっている小説なので気にしないでください！ (2020年10月27日 19時) (レス) id: 71a90d328b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鰻谷 | 作成日時：2020年10月19日 2時
