雨接待 ページ32
緑side
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青「気ぃ付けてな」
兄の言葉を背に
太陽と並んで歩き出す
背中に背負ったリュックは
カタカタと跳ねる
赤「そんな楽しみ？」
緑「へ？」
赤「さっきからずーっとニコニコしてはるから」
緑「こういうの初めてやから」
高校生になったらやりたい事
ランキング一位だった
“お泊まり”
友達とは一度も出来ず
目が見えなくなってからは家族とすら
泊まりがけで出かけることは無くなった
生憎の天気ではあるけれど
それはそれでありだろう
ポン、と肩に置かれた温かい手
隣から柔らかい笑い声が聞こえた
赤「俺もめっちゃ楽しみ」
彼に手を引かれ
彼の家へと向かう
この時は、まだ
純粋にこの二日間を
楽しめる筈だった
・
・
・
少し前を歩く彼が止まる
赤「……力哉、」
彼の口から零れた
苦しそうな声の後に聞こえたのは
上品な響きを纏う別の誰かの声だった
黄「久しぶり、」
柔らかな声色からは
彼等がどんな表情で
言葉を交わしているのかは
予想出来ない
黄「幸せそうやんか、安心したわ」
赤「違う、力哉これは」
黄「ええよ、説明なんて求めてへんし」
・
・
・
黄「じゃあな、太陽」
遠ざかる足音と
彼の名前を呼び続ける太陽の声に
俺のちっぽけな胸は
静かに悲鳴を上げた
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ゆ(プロフ) - phase1から大好きな作品です、好きすぎて永遠に終わらないでほしいくらいです(T_T)展開がいつも読めないので、新しい話を読むたびにドキドキしています。これからも更新を楽しみにしております！ (2021年1月26日 21時) (
レス) id: c2197c2c66 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - 肋骨裂いて開いて心臓おさまえないとおれないくらいきゅーきゅー鳴っています大好きな世界観 (2021年1月23日 12時) (レス) id: dfb5502df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：檸檬 | 作成日時：2021年1月6日 11時
