遣らずの雨 ページ29
緑side
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泣き疲れて眠ってしまった様だ
部屋の中には
彼の気配は感じられない
あんなに酷い言葉をぶつけたくせして
彼が居ないだけで
言い表せない不安に飲まれそうになる
震える指先でドアを開ければ
優しい声が耳に飛び込んできた
赤「おはよう、テツ」
その声に何故か涙が溢れる
緑「ごめ、」
其の涙を拭うより先に
彼の腕の中に閉じ込められ
柔らかい唇が触れる
緑「ちょ、うつってまうよ」
赤「テツの風邪なら全然ええよ」
緑「…アホちゃう」
赤「ははっ、かもなぁ」
柔らかく笑う彼の頬に手を添え
自ら唇を重ねれば
追いかけるように口付けが落とされる
彼の胸に顔を埋めれば
温かい手が頭を撫でた
緑「……離さんといて」
赤「離さへんよ、約束する」
・
・
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赤「テツが一人で勝手に不安にならんように」
そう言って太陽がくれたのは
点字が打たれた紙の様な物
指でなぞると
違和感に気付き
笑みがこぼれる
緑「太陽」
赤「ん？」
緑「これやと、りもまおやで」
赤「え、」
点字は裏から打つため
横書きの時は左右反転して
打たなければ文章が成り立たない
赤「ごめん、作り直すわ」
緑「ううん、これがええ」
不格好な御守りを胸に抱き
不確かな明日をそっと夢に見た
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ゆ(プロフ) - phase1から大好きな作品です、好きすぎて永遠に終わらないでほしいくらいです(T_T)展開がいつも読めないので、新しい話を読むたびにドキドキしています。これからも更新を楽しみにしております！ (2021年1月26日 21時) (
レス) id: c2197c2c66 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - 肋骨裂いて開いて心臓おさまえないとおれないくらいきゅーきゅー鳴っています大好きな世界観 (2021年1月23日 12時) (レス) id: dfb5502df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：檸檬 | 作成日時：2021年1月6日 11時
