雨音 ページ18
緑side
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診察室のドアを開ければ
相変わらず明るい声が響く
橙「テツ君、調子はどう？」
緑「まずまず」
いつも通り、軽く談笑をした後
人見先生は小さく咳払いをした
橙「で、ここからが本題なんやけど」
緑「先生、」
言葉を遮る俺の声に
先生が小さく笑う
橙「うん？」
緑「海が見えた」
耳に飛び込む自分の声は
想像していたよりもずっと
明るい色を纏っていた
緑「凄い、綺麗やった」
大きくて温かい手が
頭の上に置かれたと思うと
わしゃわしゃと撫でられる
橙「なぁテツくん、提案があるんやけど」
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“ギター、弾いてみよか＿＿＿＿＿＿＿。”
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数年振りに握るギターは
何だか凄く小さく感じた
紫「さすがテツくんやなぁ」
目の前にあるのは人見先生が作ってくれた
点字のコード譜
指に触れる突起の並びは
初めこそ意味が分からなかったが
慣れてしまえばある規則を持って
並んでいることが分かる
緑「真央くん」
紫「んー？」
緑「ありがとう
ギター、捨てないでくれて」
紫「静馬に伝えたって
俺に持っててくれ言うたの彼奴やから」
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懐かしい音に
胸がキュッと苦しくなる
あの日、彼に出会わなかったら
この息苦しさを
感じることもなかっただろう
やはり、神様はとことん意地悪だ
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ゆ(プロフ) - phase1から大好きな作品です、好きすぎて永遠に終わらないでほしいくらいです(T_T)展開がいつも読めないので、新しい話を読むたびにドキドキしています。これからも更新を楽しみにしております！ (2021年1月26日 21時) (
レス) id: c2197c2c66 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - 肋骨裂いて開いて心臓おさまえないとおれないくらいきゅーきゅー鳴っています大好きな世界観 (2021年1月23日 12時) (レス) id: dfb5502df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：檸檬 | 作成日時：2021年1月6日 11時
