雨景 ページ16
緑side
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赤「……くん、おーい」
いつの間にか寝てしまっていたみたいだ
名前しか知らない彼の車で
安眠出来てしまうとは
我ながら図太い神経だ
赤「着いたで」
車のドアを開ければ
鼻を刺激する磯の匂いと
耳に飛び込む波の音
緑「……海？」
赤「ピンと来ただけやから
特に理由はないけどな」
嫌やった？と聞く彼は
きっと今、眉を下げているのだろうな
緑「…ううん、海好き」
目を閉じ、肺いっぱいに
海の空気を取り込めば
瞼の裏、真っ黒なキャンバスに
何処までも続く水平線がその姿を現した
涙が出そうなくらい
美しいその景色は
胸の奥の方を刺激する
緑「綺麗、」
赤「……せやろ？」
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・
・
どれくらいそうしていたかは分からない
隣に立つ彼がポツリと呟く
赤「曇ってきたな」
その言葉のすぐ後には
空から降り出した雫が
身体を濡らし始めた
赤「雨降ってきたしそろそろ帰ろか」
緑「待って、もうちょっとだけ」
目を閉じ、空を見上げる
今この瞬間に抱かれているような感覚
数年前から感じることのなかった高揚感
きっかけも理由も分からないけれど
なんだか、凄く生きている感じがした
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ゆ(プロフ) - phase1から大好きな作品です、好きすぎて永遠に終わらないでほしいくらいです(T_T)展開がいつも読めないので、新しい話を読むたびにドキドキしています。これからも更新を楽しみにしております！ (2021年1月26日 21時) (
レス) id: c2197c2c66 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - 肋骨裂いて開いて心臓おさまえないとおれないくらいきゅーきゅー鳴っています大好きな世界観 (2021年1月23日 12時) (レス) id: dfb5502df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：檸檬 | 作成日時：2021年1月6日 11時
