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それからというもの、私は神山くんとマンション内で会っても無視をし続けた。
自分のしていることが子供染みていることはよく分かっているけど、神山くんと顔を合わせても普通に言葉を交わせる自信がない。
これ以上、傷付きたくない。
そんな自分勝手な感情が、結果的に“無視”という行為に繋がってしまっているのだ。
神山くんの何か言いたそうな視線にはわざと気付かないフリをして、そんな卑怯なことしかできない自分が嫌になる。
ついこの間まで浮かれまくっていた自分を思い出すと、恥ずかしさを超えて腹が立った。
それと同時に。
彼女がいるのに他の女を家に入れてあんなことばかり言う神山くんも神山くんだ。
そんなの彼女だって可哀想だし、やっぱり軽率な行動は簡単にするものじゃない。
最終的な怒りの矛先を、浮かれまくっていた自分じゃなくて、神山くんに向けるあたり、どこまでも私は惨めだ。
それからまた少しの月日がたったある日、私は大学からマンションに帰ってきた。
エレベーターを降り、自室に向かうと自分の部屋のドアの前にしゃがみ込む一つの影。
思わず後ずさりしそうになる。
「おかえりー」
「っ…！か、神山、さん！こんなところで何してるんですか！？」
「えー？Aちゃんが帰ってくるの待っててん」
平然とそう言いながら立ち上がり、履いていたスキニーをポンポンと叩く神山くん。
「…私に何か用ですか？」
なんで、こんなトゲのある言い方しかできないの。
本当に、可愛くない。
「Aちゃんこそ俺に何か言いたいことあるんちゃうの？」
真剣な目で真っ直ぐ瞳を捉えられ、一瞬たじろぐ。
「別に何もないですよ、帰ってください」
こんな言い方しかできない自分に嫌気がさしたし、また彼女の存在を思い出すと胸が苦しくて、涙が滲んできた。
拳を握って、グッと耐える。
「それ。なに怒ってるんか知らんけどさあ、急に無視されたりしたらこっちやってどうしたらええか分からへんし」
「…………、」
「なあ、肉じゃが作る約束やん」
「……私が作る必要ありますか？」
ポロリと、言葉が零れた。
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Miyu - こちらの作品読ませていただきました!!とてもとても面白くて本当に素晴らし作品だと思いました!!出来れば続編が見たいです!!お願いします!!!! (2017年8月4日 1時) (
レス) id: 099bfa011a (このIDを非表示/違反報告)
ミユ - このような素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます!! めちゃくちゃドキドキしました！ 続編みたいです!! (2017年3月11日 23時) (レス) id: 76c9e46811 (このIDを非表示/違反報告)
夏鈴(プロフ) - このお話すごく好きです！続編みたいです！ (2016年5月23日 19時) (レス) id: 15376b9e02 (このIDを非表示/違反報告)
もんち。 - 初めまして!!完結おめでとうございます!!続編みてみたいです…!!神ちゃん大好きすぎてヤバいです(＞∀＜。) (2016年2月18日 21時) (レス) id: 07b3b73113 (このIDを非表示/違反報告)
かろてん - 感情移入しすぎて面白くてきゅんきゅんして一気読みしました！！久しぶりに素敵な作品に出会えた気がします。 (2016年2月18日 18時) (レス) id: 1b3b63028e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみ
| 作成日時：2016年2月5日 1時
