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あれから一週間。
別に私たちは連絡先を知っているわけでもないので、神山くんが元気になったかどうかは会わないと分からない。
マンション内でのバッタリ会うこともないし、ちょうど気になり出していた頃。
外に出掛ける為、玄関で靴を履いていたら外から楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
…神山くん、だ。
ん？誰かといる…？
私がソロソロと扉を開けると目に飛び込んできたのは、神山くんの部屋の玄関の前で可愛らしい女の子と笑い合う神山くんだった。
そのまま神山くんは笑顔で扉を開ける。
屈託の無い笑顔で、その女の子の頭をぐしゃぐしゃと撫でるオマケ付きで。
こちらに少しも気付く様子のない二人は、無情にも私に背中を見せつけるように仲良く家の中へと消えた。
ガチャン、というドアの閉まる音って、こんなに残酷な効果音だったっけ。
なんだか、血の気が引いたように身体がスーッと冷たくなっていくのを感じた。
頭の中が真っ白になる。
…あ、フラッシュバックってこういうこと？
神山くんの家のキッチンに立ったとき、棚の中に置かれていた色違いのマグカップ。
手を洗うために一度だけ借りた洗面所には明らかに男性は使わない洗顔料が置いてあったっけ。
そのときは浮かれすぎていて、まったく気にも留めていなかった。
それらのことを思い出すと、パズルのピースが合わさっていくように、一つの結論が導き出される。
彼女、いたんだ。
現実を突き付けられるって、こういうこと。
私はまた自分の部屋に入って、玄関でぺたりと座り込んだ。
彼女がいるのに私とあんなに親しくして、勝手に浮かれていた自分が恥ずかしい。
神山くんだってアイドルてある以前に一人の人間。
しかも、あんなにかっこいいんだもん。
彼女がいたってなんらおかしくない。
いままでは神山くんの女ネタなんてさほど気にならなかったのに。
勝手に神山くんを身近に感じて、勝手に浮かれて、そしたら急に現実を突き付けられて、傷付いて。
自分って馬鹿みたい。
気が付けば自分の頬に一筋の涙が伝っていた。
それはとどまることを知らなくて、しばらく流れ続けた。
本当は、泣くなんてことがお門違い。
でも私はそれを拭うことなく、ただただ泣き続けた。
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Miyu - こちらの作品読ませていただきました!!とてもとても面白くて本当に素晴らし作品だと思いました!!出来れば続編が見たいです!!お願いします!!!! (2017年8月4日 1時) (
レス) id: 099bfa011a (このIDを非表示/違反報告)
ミユ - このような素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます!! めちゃくちゃドキドキしました！ 続編みたいです!! (2017年3月11日 23時) (レス) id: 76c9e46811 (このIDを非表示/違反報告)
夏鈴(プロフ) - このお話すごく好きです！続編みたいです！ (2016年5月23日 19時) (レス) id: 15376b9e02 (このIDを非表示/違反報告)
もんち。 - 初めまして!!完結おめでとうございます!!続編みてみたいです…!!神ちゃん大好きすぎてヤバいです(＞∀＜。) (2016年2月18日 21時) (レス) id: 07b3b73113 (このIDを非表示/違反報告)
かろてん - 感情移入しすぎて面白くてきゅんきゅんして一気読みしました！！久しぶりに素敵な作品に出会えた気がします。 (2016年2月18日 18時) (レス) id: 1b3b63028e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみ
| 作成日時：2016年2月5日 1時
