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「終わったで、トイレットペーパー貸して。流しとくから」
言われるがままにトイレットペーパーを渡すと、神山くんは奴が中にいるであろう丸めたトイレットペーパーをトイレに流した。
ジャーという流れる音と共に、ヘナヘナと肩の力が抜けていく。
「あ、ありがとうございました…」
「ええよええよ。ちゃんと部屋の換気しときや？」
「は、はい…」
救世主なのか、彼は。
何だかんだで二回も助けてもらって、今日なんて彼がいなかったらどうなっていただろう。
こんな見ず知らずの隣人にここまで親切な神山くんはただ者じゃない。
「本当にありがとうございます。か…あなたには助けてもらってばかりで…」
感極まっている私は、もう少しで“神山くんには”と言いそうになってしまった。
神山くんは表札も付けてないし、名前を聞いているわけでもないので、私が彼の名前を知っていたらおかしな話だ。
私はアイドルである神山智洋を、“知らないフリ”しているのだから。
「あなたって！堅苦しすぎるやろ！」
目の下に笑窪を作ってヒャハハと笑う神山くん。
じゃあ、なんて呼べばいいんですか…。
そんな私の心の声を読み取ったかのように、神山くんは言葉を続けた。
「カミヤマっていうの、俺。カミちゃんでも何でも好きに呼んでええよ。そっちは、下の名前なんていうん？」
サラッと自己紹介を交え、下の名前を聞かれる。
「A、です…」
「これでお互いの名前やっと分かったな。今更かって感じやけど」
神山くんは大きなあくびをすると、玄関で脱いだクロックスを足に引っ掛ける。
「あ、本当に夜遅くにすみませんでした。本当になんてお礼したらいいのか…」
ぼそぼそと謝罪とお礼を述べると、こちらに向き直ってニヤリ顔。
「え？お礼してくれるん？」
「いや、あの、してもらいっぱなしも悪いかなーって…」
「じゃあ、Aちゃんには一つ俺に借りがあるってことで。今度何かあったら何でも言うこと聞いてもらおっかな」
“なんつってー”と笑いながら、玄関の扉に手を掛けた神山くん。
すると、またこちらを振り返る。
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Miyu - こちらの作品読ませていただきました!!とてもとても面白くて本当に素晴らし作品だと思いました!!出来れば続編が見たいです!!お願いします!!!! (2017年8月4日 1時) (
レス) id: 099bfa011a (このIDを非表示/違反報告)
ミユ - このような素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます!! めちゃくちゃドキドキしました！ 続編みたいです!! (2017年3月11日 23時) (レス) id: 76c9e46811 (このIDを非表示/違反報告)
夏鈴(プロフ) - このお話すごく好きです！続編みたいです！ (2016年5月23日 19時) (レス) id: 15376b9e02 (このIDを非表示/違反報告)
もんち。 - 初めまして!!完結おめでとうございます!!続編みてみたいです…!!神ちゃん大好きすぎてヤバいです(＞∀＜。) (2016年2月18日 21時) (レス) id: 07b3b73113 (このIDを非表示/違反報告)
かろてん - 感情移入しすぎて面白くてきゅんきゅんして一気読みしました！！久しぶりに素敵な作品に出会えた気がします。 (2016年2月18日 18時) (レス) id: 1b3b63028e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみ
| 作成日時：2016年2月5日 1時
