あの日の思い出１ ページ3
「母様！」
私は今、母様を探している。
今日は、お仕事が休みだから、遊んで貰うんだ。
「おや、小雪。主を探しているのか？」
「うん！ 今日は折り紙をして遊ぶの！」
三日月は、ほけほけ笑って、『そうかそうか』と言って、頭を撫でてくれる。
……じゃなくて！
「子供扱いしないでよ！ 私、もう小学生になるんだよ！？」
一度、三日月から距離を取る。
「おや、それは、すまなかったな。何せ、爺は小雪のことが大好きだからな。
どうしても頭を撫でたくなる」
ムッとして、頬を膨らませる。
「ははは！ 小雪は撫でられるのは嫌か？」
「うっ……嫌じゃないけど。小学生になったら、笑われちゃう……」
『だから、その練習』と言うと、もっと笑われた。
「わ、笑わないでよ！」
「い、いや、すまぬな。小雪の言うことが余りにも可愛いものだから。つい、な」
そう言いつつも、まだ笑ってる。
「どこか、可笑しかったの？」
「いいや。だが、爺の言い分としては、もっと可愛がらせて貰いたいところだ」
『おいで、小雪』と、三日月が手招きをする。
そうして近づくと、ギュッと抱きしめられた。
「わっ……！ びっくりした……！」
「……小雪」
静かに呼ばれて、目と目が合う。
三日月の瞳には、私が映っていた。
「いつか、小雪は俺達ではない人の所へ行くだろう。
……だから、それまで。どうか、可愛がらせてはくれないだろうか」
三日月は、寂しそうな顔をして言った。
「……分かった」
だから、私はそれしか言えなかった。
大人になったら、この言葉の意味も分かるのかな。
「さて、主は今、執務室にいる筈だ。一緒に行こう」
今は、その背を追うことしかできないけど、いつかは隣に並んで歩けるようになりたい。
胸を張って、歩けるようになりたい。
そう思いながら、私は三日月の後を追い掛けた。
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お母さん(プロフ) - あぁ…なんですかすごく好みです…ありがとうござい…ま､す…(ﾊﾞﾀｯ) (2018年1月21日 0時) (
レス) id: 335a7d9d6b (このIDを非表示/違反報告)
露草(プロフ) - 來璃さん» コメント、ありがとうございます！更新、諦めてたのに……掛け持ちが多すぎるので、優先順位は低くなってしまいますが……頑張ってみます！ (2017年9月17日 18時) (レス) id: ab84d9d364 (このIDを非表示/違反報告)
來璃 - 更新待ってます!頑張ってくださいヽ(*´∀｀)ノ (2017年9月17日 18時) (レス) id: 3604d40f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草 | 作成日時：2017年6月4日 21時
