第一話：出会い ページ1
それは、突然の出来事だった。
政府から『至急来てほしい』との連絡を貰い、急いで指定された施設に行った。
そこまでは良かった。
そう、そこまでは良かったのだ。
ただ、目の前にいる人物……
正確に言うと、『刀剣』を見た瞬間に、全てを悟ってしまった。
「今日から、この刀剣を君の『助手』にして欲しい」
目の前にいる刀剣、明石国行は、その言葉にびくりと肩を揺らした。
「君がいた本丸には、明石国行はいなかった。受けてくれるね？」
拒否権の無い問いに、私は肯定することしかできない。
「分かりました」
そう言うと、政府の役人……私の上司は、ホッとしたような笑みを見せた。
「彼のことは、大切にしてやってくれ」
『詳しいことは資料にして送る』、そう言って、上司は私達二人を部屋から出した。
沈黙が、場を支配する。
どうしようかと、隣にいる明石国行に視線を向けると、明石国行の虚ろな瞳と目が合った。
取り敢えず、何か喋らないといけないと思い、私は口を開いた。
「えっと、自己紹介がまだだったね。私は小雪と言う。政府直属の研究者だ。
何か困ったことがあったら、何でも言ってくれ」
明石国行は、少し目を見開く。
それから、少し間を空けて、ゆっくりと口を開いた。
「自分、明石国行言います……好きなように、使って下さい」
訛りのある口調で、私を見ながら、どこか諦めきった表情で言った。
それは、きっと前の本丸の影響なのだろう。
「そんなことは言うものではないよ。君にも心があるのだから。
此処で話すのもなんだし、私の本丸で続きを話そう」
そう言うと、今度は目を大きく見開いて、惚けていた。
「どう、して……」
「ん？ どうして、私がそんなに可愛らしいのか？ そいつは、私の研究でも
分かってないから言えないなぁ」
『強いて言うなら、遺伝かな』と言いつつ、明石国行の手を取る。
「え、これ、どうゆう……」
「言っただろ、続きは私の本丸で。早く行くぞ」
そう言い、ゲートの入り口で手続きを済ませて、ゲートを潜る。
そうした時には、私の中にあった緊張や拒絶の心は無くなっていた。
「情が、移ってしまったな……」
独り言は、空気に呑まれていった。
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お母さん(プロフ) - あぁ…なんですかすごく好みです…ありがとうござい…ま､す…(ﾊﾞﾀｯ) (2018年1月21日 0時) (
レス) id: 335a7d9d6b (このIDを非表示/違反報告)
露草(プロフ) - 來璃さん» コメント、ありがとうございます！更新、諦めてたのに……掛け持ちが多すぎるので、優先順位は低くなってしまいますが……頑張ってみます！ (2017年9月17日 18時) (レス) id: ab84d9d364 (このIDを非表示/違反報告)
來璃 - 更新待ってます!頑張ってくださいヽ(*´∀｀)ノ (2017年9月17日 18時) (レス) id: 3604d40f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草 | 作成日時：2017年6月4日 21時
