22. ページ22
.
イルカショー見て、喉乾いたなって館内のカフェで飲み物買ってくれたり。
お土産もちょっと見ただけで買おうとするし。
なんだか、大人って怖いな。
「あー、帰りたくない」
「もう暗くなってきちゃいますよ」
「腹減った?」
「家着く頃には減るかも」
「俺も。酒飲む場所には流石に連れてけねえしなあ」
ちらちらこっちみて来る先生。
何か期待されてる?何?分かんないんだけど。
「…え、と、」
「ん?」
「ごめんなさい、正解が分かんないです」
「ふはっ、授業じゃないんだから。Aはもう帰りたい?」
信号待ち。
夕日に照らされる横顔が綺麗。
「わ、かんない」
「俺は、まだAと居たい」
「…そうですか」
「嫌だった?」
「ううん。どっか、行きます?」
「あわよくばこのままどこまでも」
車はそのまま先生の自宅と思わしきマンションへ吸い込まれていった。
「何もしない」
「されたら通報する」
「…ハグは?」
「…ギリ?」
「キスは」
「した事ない」
「まじか。じゃあ、ハグまで」
車降りる前に確認して、上がっていくマンション。
扉一枚向こう側は真っ白で怖くなるほど綺麗。
「はい、スリッパ」
「綺麗好きなんですね。康二の部屋とは大違いだ」
「ほかの男の話禁止。若干潔癖入ってるかも」
「へえ…よくそれで人と付き合えましたね」
「まあ、それは好きだからどうにでもなんの」
部屋に上がっても真っ白で。
家具が辛うじて色があるくらい。
「とりあえずハグしていい?」
「どうぞ」
ソファに促されて座っていたけれど、立ち上がって両手を広げると痛いくらいに抱きしめてくれる先生。
「うわ、やば。ちっさい。いい匂いする。ちゃんと女子じゃん」
「え、なんだと思ってたんですか」
「んー、A。Aは、A」
「なんですか、それ」
離れた身体はソファに座ったから、真似して隣に腰掛けてみた。
「何食う?」
「んー、なんでも…あ、タピオカ」
「飲む?」
「でもこれだけでお腹いっぱいなるんですよね」
「結構腹に溜まるもんな」
やたら近い距離だけど、スマホで見てるから仕方がない。
先生もいい匂いするし、ちょっとだけ煙草の匂いも混じってる。
「ちょっと煙草吸ってくるわ」
そう言ってベランダに出た先生の背中を見送って。
思わず顔を覆ってずるずる身体が落ちていく。
大丈夫なの?これ?平気な顔してるけど、パンクしそう。
.
265人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さきち(プロフ) - ありがとうございます!早速見ます!! (2021年6月19日 17時) (レス) id: 7219e6f0e9 (このIDを非表示/違反報告)
すぽんじ。(プロフ) - さきちさん» わざわざありがとうございます(;_;)続編と呼べるほどのあれではないですが、公開しましたのでお時間ある時にでも遊びにいらして下さい(´v`) (2021年6月19日 17時) (レス) id: 6bb89fce50 (このIDを非表示/違反報告)
さきち(プロフ) - そしたら、作者登録させて頂きます! (2021年6月18日 23時) (レス) id: 7219e6f0e9 (このIDを非表示/違反報告)
すぽんじ。(プロフ) - さきちさん» そこまで言っていただけて嬉しいです(;_;)作者登録をしていただければ、通知が行くとは思うのですが、面倒でしたらここのレスで公開しました!と私からお伝えさせていただきますよ(・u・)! (2021年6月18日 12時) (レス) id: 6bb89fce50 (このIDを非表示/違反報告)
さきち(プロフ) - 続編承知しました!続編を早く知れるにはどのようにしておけばよろしいですか? (2021年6月18日 12時) (レス) id: 7219e6f0e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すぽんじ。 | 作成日時:2021年6月17日 20時