先生じゃない

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それからちょくちょくコンビニに買い物しに来てくれる渡辺先生との距離は縮まっていって。
同級生だと聞かされていた先生方との距離も謎に縮まっていく毎日。

「Aちゃんもう背中大丈夫？」

「佐久間先生おはようございます！もう、すっかり良くなりました！」

とか。

「A〜この前のお菓子って非売品？」

「そうなんですよ。まだ、って言ってたんでその内完パケ化すると思いますよ！」

とか。

「Aちゃん寝癖ついてるよ〜」

「深澤先生に言われたくないです。あちこち跳ねすぎ」

「女子生徒が可愛い〜ってなおしてくれるの」

「うわ…」

「おい！引くなよ！」

とか。

「Aさん、この前の課題出てなかったよ」

「阿部ちゃん先生おはようございます！課題…あったかなぁ…」

「こら、ちゃんと目を見て言いなさい！」

「阿部ちゃん先生かがんでください」

「…もう、仕方ないから今日まで待ってあげる。分かんなかったら白紙でもいいから持っておいで」

とか。

「おはよう、A」

「舘様、今日もロイヤルですね、御機嫌よう」

「Aもなかなか様になってるよ」

とか。
もう、本当に、キャラ立ちしています。先生方。
もしかして、この学校の運営って先生たちで成り立ってます？ってくらい。

「田中遅刻すんぞ」

「まじ田中弄りうざいですよ、渡辺先生」

「ん？先生じゃなくない？」

「ここ校内ですし」

「ふーん、じゃあ、後でな、A」

頭ぽんって癖なの？ってくらい会う度にされるんだけど。
田中いじりも。田中くんがそろそろ可哀想になるからやめてあげてほしい。
近くにいたら渡辺先生が私のことを田中って呼ぶ度にびくってしてるから。

「朝から人気者だね、A。妬ける」

「何で妬くのよ。てか私の頭肘置きじゃないからね」

「肘置きにしてもちょっと低いよね〜？」

「俺もやりたいねんけど場所がない！」

でかい腕ふたつも乗せんな、まじで。

「てか、今日だよね、Aの奢り」

「可愛くない後輩に奢りたくない」

「Aせーんぱい」

「え、ラウールかわいさの権化かよ」

「俺は自分で出すで！任せとき！」

「流石に康二は当たり前」





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