記憶にある声 ページ4
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久々に会うクラスメイトとの再会に盛り上がっていると、勢いよく障子が開いた。店員さんかと思ったら、入ってきたのは遅れていた2人。自転車部の新開君と荒北君だ。
「おーい、新開達来たぞ−」
「やっと来たチャリ部！」
「荒北変わらねぇな」
「うっせ！1年っぱかでンな変わるわけねェだろ」
「それ荒北が言うか？」
「みんな久々だな」
「ついさっき飲み物頼んだところだよ。ビールにしちゃったけど大丈夫？」
「いいぜ。んで、俺達の席は何処だい？」
「そっち座って！やっと全員揃った！」
主催の子が指した席は、ちょうど私と友人が座っているテーブルの向かい側。確かに2人分の小皿とお箸が用意されているが、そこは空席だった。新開君は軽く手を挙げながら、荒北君は茶化してくる男子を軽く蹴りながら席へと移動してきた。
「もしかしてAちゃん？別嬪さんになったな」
「別嬪って…まるで親戚の叔父さんみたいな言い方だね。久し振り新開君」
「あぁ、久し振り」
相変わらずの男前な笑顔は今も健在のようだ。新開君とは在学時席が近かった時期もあり、クラスの男子の中では仲が良い方に分類される。一方隣のテーブルの男子と話している荒北君とはあまり話した記憶がない。全くないわけではないのだが…彼が覚えているかがわからないし、そもそもその時何を話したか覚えている程の内容じゃなかったと思うので私が覚えていない。
「……」
「…！」
ふと、男子との会話に区切りが付いた荒北君と目が合った。よく目付きが悪いと言われてた彼だったが、卒業して少し落ち着いたのか睨まれているという印象は持たなかった。劇的に顔付きが変わったわけではないので、私以外が見れば印象は違うかもしれない。そんな事より目が合ったからには何か反応した方がいいのか。無視するのも空気を悪くしてしまう。
「…久し振りィ」
「！…久し振り」
あぁ、そうだ。彼が新開君と話している時たまたま聞こえてきた、言葉を少し伸ばすような話し方。クラスメイトの中でも声が大きい方の彼のその話し方はやけに印象的だった。思わず懐かしくなって思わず笑ってしまったが、変に思われなかっただろうか？少し恥ずかしくなったので、タイミング良く届いたビールを隣のテーブルに渡しながら荒北君から目を逸らした。
(あの頃は荒北君と話してみたくても、きっかけもなかったしね)
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渡邊(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。作成時の見落としでした。即対応致しました。 (2019年4月14日 23時) (
レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年4月14日 19時) (レス) id: a6e6d18aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2019年4月14日 19時
