勤勉 ページ19
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「八神、よぅ」
「ジャッカル君。珍しいね」
今日もいつもどおり図書当番の日。私を呼ぶ声が聞こえそちらを向くと、意外な事にジャッカル君がいた。図書委員になって数ヶ月、私が当番の日に彼が来るのは初めてだ。
「次国語の小テストでな。教室だとクラスの奴等がちょっかい出してきてうるせぇから…ここなら静かだし勉強するには持ってこいだろ?」
「確かに」
「国語はあまり得意じゃねぇからこっちはちゃんと見直しておきたかったんだがよ、クラスの奴等教えてくれるかと思ったらふざけて嘘まで教えてきやがる。こりゃ1人でやった方が集中出来ると思ってな」
「なるほど。それは大変だったね」
クラスメイトに対しての愚痴を溢した後に、「教えてくれるのはありがてぇんだけどな」とくしゃっと笑って言うあたり、彼は本当に根が良い人なんだという印象を受けた。これはモテる。
「じゃあ、あそこの席借りるぜ」
「ご自由に」
爽やかに去って行く彼を見送り、私は手元にある本に視線を戻した。今日は利用者があまりいないので、彼の勉強も捗るだろう。素朴な疑問だが、日本語を話す分には達者だが、読み書きはまた別の話なのだろうか?本の文章を追いながらそんな事を考えたものだから、本の内容が頭に入ってこず、読んでは少し戻って読み返してを繰り返した。
「なぁ、八神…」
顔を上げると少し困った顔のジャッカル君がカウンター越しに立っていた。
「どうした?」
「委員の仕事中悪いな、ちょっといいか?」
「うん」
「この問題教えてもらいてぇんだが…」
「どれ？あー、ややこしいよね」
「ドリルを持ってきたのはいいが、答えとか解説が書いてある冊子は教室に置いてきちまったみたいで…すまねぇ」
「いいよ、今日暇だったし。ドリル見せて」
ジャッカル君からドリルを借りて問題と回答の選択肢を見る。最初の文法を区切る問題とかはやってあるみたいだが、サラッと見た感じだと間違ってるところもあった。一通り問題を確認してジャッカル君に解き方や言葉の意味をなるべく噛み砕いて説明し、そのついでに最初の問題も解き方を教えてあげた。
「サンキューな八神。勉強出来るんだな」
「国語だけだよ。それ以外の教科は壊滅的」
「なんだそりゃ!」
お互い笑い合っていると、もう昼休みが終わる時間になっていた。良い時間潰しになったので、ジャッカル君には感謝しなければ。
(別れ際にお礼を言われ)
(眩しい笑顔を向けられた)
(…仁王とかより良い男だと思う)
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かるぴん(プロフ) - とっても面白くて一気に読みました。続きが気になりすぎて仕方ないです！お時間のあるときに更新してくださると嬉しいです。お体に気をつけてください。 (2021年2月22日 5時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
otohsun08050054(プロフ) - とっても面白かったです。続きが気になります。更新頑張って下さいね。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きはまだですか？ (2020年2月13日 5時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 美空さん» コメントありがとうございます！夢主の事気に入っていただけて嬉しいです(´ｰ｀*)今後も楽しんでいただければ幸いです！ (2018年4月25日 7時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます！更新楽しみにしてます！夢主の性格好きです(^-^) (2018年4月24日 22時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2018年2月6日 22時
