プール開き ページ12
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夏の暑さも本番になり始めた頃、体育の授業内容が水泳に切り替わった。先日村木さんと柳と話したとおり、泳ぎは苦手じゃないから勉強するよりマシといった印象だ。念入りに準備運動をし、各自徐々にプールに入っていく。
「ひゃ〜つめた〜」
「ひゃ〜って…。変な反応」
「あははっ、細かい事は気にしない!」
村木さんを追って私もプールに入る。夏目前とはいえ、まだ水温を冷たく感じる時期だ。村木さんの反応もわからなくはない。
「じゃあ最初はみんな好きな泳ぎ方で25m。次からはクロール・平泳ぎ・背泳ぎのセットの繰り返しでこなしていけー」
「「はーい」」
水泳の授業も男女混合・クラス合同で行う。今日一緒に受けるのはB組なので、知り合いはいない筈……待て、隣の列に赤い髪が見えた。
「あれ?八神じゃん」
「行きだ…丸井」
「おい、今行き倒れって言おうとしたろ」
「オキニナサラズ」
B組だったらしい丸井は、以前にも増して行き倒れ呼びに過敏に反応するようになった。意図的に目を逸らしているから彼がどんな表情をしているかわからないが、きっと睨んでるだろう。
先頭から順番に泳ぎ始め、ようやく丸井の睨みから解放された。一連の会話を聞いていた村木さんがすすすっと私に近付き、小声で話しかけてくる。
「え、Aちゃん丸井君と知り合い?」
「まぁ、一応。この前言った行き倒れがあいつ」
「へぇーそうだったの!?丸井君ってテニス部のイケメンの1人じゃん!有名人じゃん!」
その情報をもっと早く欲しかったよ私は。何話越しの真実だよ。今更それを責めるつもりはないけど、取り敢えず今は静かにして。
「おーい八神、お前の番だぞ」
「あ、はい」
先生からの声がかかり、前を泳いでいった人達と同じように泳ぎ始める。最初は冷たいと思っていたプールの水も、慣れれば気持ち良く感じる。水を蹴る感覚も嫌いじゃない。ゴールの壁に手が当たり、顔を水から揚げる。一緒に泳ぎ始めた他の人達より早く着いたようだ。プールから揚がろうとした時、丁度目の前に丸井がいた。なんでいんの。
「お前意外に泳ぐの速ぇんだな!」
「え?どうも…」
「褒めてんだよ、もっと嬉しそうにしろぃ」
「はぁ…」
私の反応がお気に召さなかったのか、また不機嫌そうな顔をした。意味もわからず罪悪感を感じたので、仕方なく「ありがと」と答えたら、「へへっ」と嬉しそうに笑った。だがその直後、何故か顔を真っ赤にして足早に立ち去っていった。
(そんな暑い?)
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かるぴん(プロフ) - とっても面白くて一気に読みました。続きが気になりすぎて仕方ないです！お時間のあるときに更新してくださると嬉しいです。お体に気をつけてください。 (2021年2月22日 5時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
otohsun08050054(プロフ) - とっても面白かったです。続きが気になります。更新頑張って下さいね。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きはまだですか？ (2020年2月13日 5時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 美空さん» コメントありがとうございます！夢主の事気に入っていただけて嬉しいです(´ｰ｀*)今後も楽しんでいただければ幸いです！ (2018年4月25日 7時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます！更新楽しみにしてます！夢主の性格好きです(^-^) (2018年4月24日 22時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2018年2月6日 22時
