お手伝い ページ11
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「八神さん、この本はこちらでよろしかったでしょうか?」
「うん。あ、もう一冊はあっちの棚にお願い」
「わかりました」
昼休み、いつも通り当番で図書室に来ていた私は、昨日届いた本の整理をしていた。昨日の放課後の活動の時に大体は片付けたので、今日は残り物の整理だけだ。大量の本が入っていた段ボールも残り2箱。本当なら昨日の内に終わらせる予定だったが、生憎下校時間に間に合わなかったので、今日当番である私が片付ける事になったのだ。
「これだけの本を1人でなんて、大変でしたね」
「昨日の鬼のような量に比べれば少ない」
「それでも貴方は立派ですよ」
段ボールを運んでいる最中に、たまたま本を返しに来た柳生が手伝いを買って出た。最初は断ったのだが、彼の熱意に負けて渋々お願いする事になった。今となっては作業がスムーズに進んでいるからとても助かっている。
「(…ぐいぐい来る紳士に僅かな恐怖を覚えたのは黙っておこう)」
優しい微笑み、クイッと上げる眼鏡、徐々に近付く距離、段ボールに掛かる手、そして絶対に見えない眼鏡の奥の目。怖くない?
「あとこれとこれは向こうの棚で…。これはどっちのジャンルになるんだ…、ん?」
何冊かの本を片腕に抱え悩んでいると、ふと視界の隅に違和感を感じた。視線を向けると、本棚の端で手招きしている手が見えた。どうやら私を呼んでいるようだ。不審に思いながらもその手に近付く。付けているリストバンドは見た事がある。嫌な予感だ。本棚の角を曲がる手前まで来た瞬間だった。
「ばぁっ」
出てきたのは銀髪。見覚えのあったリストバンドは、よく昼に見ているものだ。ニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべながら私の反応を伺っているが、私はというと呆れて物も言えない顔をしているだろう。
「…何してんの仁王」
「ん?驚かんかったか?」
「いや、驚いたけど…何してんの」
「昼休みが退屈でのぅ。お前さんを追って図書室まで来てしまった」
「なんで私に構うかなぁ…」
「それはさておき、お前さんもっと感情を顔に出しんしゃい。もうちっと驚いてくれると思ったのに、まーくん悲しい」
「知るか」
はい、と手に持っていた本を渡す。仁王は頭に?を浮かべて見てきたが、丁度仁王のすぐ横の本棚に置くものだったから、よろしく〜と一言残し、別の本棚へ移動した。
(おや?あんなに持っていたのにもう終わったのですか?)
(君以外にも手伝ってくれる人がいて助かったよ)
(ぐぬぬ…覚えときんしゃい)
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かるぴん(プロフ) - とっても面白くて一気に読みました。続きが気になりすぎて仕方ないです！お時間のあるときに更新してくださると嬉しいです。お体に気をつけてください。 (2021年2月22日 5時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
otohsun08050054(プロフ) - とっても面白かったです。続きが気になります。更新頑張って下さいね。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きはまだですか？ (2020年2月13日 5時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 美空さん» コメントありがとうございます！夢主の事気に入っていただけて嬉しいです(´ｰ｀*)今後も楽しんでいただければ幸いです！ (2018年4月25日 7時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます！更新楽しみにしてます！夢主の性格好きです(^-^) (2018年4月24日 22時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2018年2月6日 22時
