強制連行 ページ32
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「なんで私はあっさりここに来ているんだろうか…」
「私が無理矢理連れてきたからです！」
「いやこれ独り言だから答えは求めてなかったんだけど…はぁ…」
放課後になり、私は早々に帰宅の準備をしていた筈。そこに突然村木さんが私の腕を掴み何も説明せずにある場所へと連行された。抵抗してもよかったのだが…掴まれた瞬間に目が合った村木さんは満面の笑みで、これは抵抗してはいけないと悟ってしまった。村木さんと同じ陸上部のクラスメイトも帰り支度をしているようだったので、今日は陸上部は休みなのだろうとも察した。そして村木さんの俊足になんとかついて行ったら何処に辿り着くのか、聞かずとも理解してしまった。ここまで不都合が重なると、無駄とわかっててもぼやかずにはいられなかった。
辿り着いた先はお察しのとおりテニスコート。コートの周りに観戦席があり、そこに何人か女子生徒の姿が見受けられる。一方部員達は彼女達の歓声に目もくれず練習に励んでいた。コートに入っているのはほぼ3年生のようで、他の部員は筋トレや外周を走りに行っているようだ。よく見るとドリンクを用意している部員の姿も見える。どうやら本当にマネージャー業も部員が担っているようだ。
「私テニスって初めて見たけど、中学生のレベルってこんなに凄いの？」
「私も見るの初めてだからわかんないけど…うちの学校強いらしいからレベルは高いと思うよ」
「へぇー…」
折角来たので気持ちを切り替えて初めてのテニス観戦を楽しむ事にした。嫌な事ばかり考えるな、ポジティブに考えろ。現実から目を逸らすんだ私。今は試合形式の2対2(確かダブルスだったか？)が行われている。丁度私達が座った席の目の前のコートには幸村の姿があった。
「あ！幸村君だ！幸村君だよAちゃん！」
「ちょっと村木さん声大きい…ちゃんと見えてるからそんなに肩揺らすな…」
知り合いを見つけてテンションが上がった村木さんに肩を掴まれ力任せに揺らされる。よ、酔うからやめてくれ…そして周りの視線も集まるからやめて…。
初めて見た彼のテニスは、素人でも上手いとわかる程ボールを返す位置や強いボールを打つタイミングが完璧だった。恐らく他の3人は上級生だというのに実力の差を感じさせない…寧ろあのコートで1番強い。それでいて綺麗だった。四天宝寺で遊びでやったテニスとは大違いだった。
(魅入る)
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かるぴん(プロフ) - とっても面白くて一気に読みました。続きが気になりすぎて仕方ないです！お時間のあるときに更新してくださると嬉しいです。お体に気をつけてください。 (2021年2月22日 5時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
otohsun08050054(プロフ) - とっても面白かったです。続きが気になります。更新頑張って下さいね。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きはまだですか？ (2020年2月13日 5時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 美空さん» コメントありがとうございます！夢主の事気に入っていただけて嬉しいです(´ｰ｀*)今後も楽しんでいただければ幸いです！ (2018年4月25日 7時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます！更新楽しみにしてます！夢主の性格好きです(^-^) (2018年4月24日 22時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2018年2月6日 22時
