話し合い ページ44
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「単刀直入に問う、何故避けている？」
「本当に単刀直入すぎてついていけてないんだけど」
折りたたみ傘事件(？)同日の昼休み。当番の為貸出カウンターで本を読んでいたところ、本を返しに来た柳からかけられた言葉がこれだ。流石に聡い彼は私の態度にお気付きだったらしい。
「ここ最近のお前の態度についてだ。俺の中に心当たりがあればそれについて話をするところだが、それが見つからない。態度の変化も些細なものだが、俺は誤魔化されないぞ」
「仮に本当に避けているとして、その理由を本人に話すと思う？」
「普通なら話さないだろう」
わかってるじゃん。なら私がさっきの問いに答えないかもしれないのも覚悟の上か。視線を柳から手元の本に戻すと、お構いなしに柳はカウンターに身を乗り出してきた。
「だがお前は話してくれると思う」
「は？」
その行動は、普段の柳から想像出来ないもので、彼を私の視界に戻すのも容易かった。いつも閉じられている彼の目は真剣で、今度は彼から視線を逸らす事が出来なくなっていた。
「俺の持っているデータによると、お前は避けるという行動そのものを面倒だと思う確率は91.4%…。故に自分の今後に大きく関わるくらいの理由がなければ人を避ける事などしないだろう。それに、本気で避けたいのなら俺に話しかけられても返す必要がない。だがお前はちゃんと答えてくれている」
渋々そうだがな、と苦笑しながら言葉を続けた。よく私の事分析してるじゃないかストーカーよ。でもそれでは先の言葉と結びつかない。
「つまり、なんで私が理由を話してくれると思うわけ？」
「なんとなくだ」
「…はい？」
待て待て、さっき確率とか出したのにそこはなんとなくって割と適当だな。納得いかないといった顔で見つめると、柳は右手を顎に当てながら次の言葉を考えた。
場違いだとわかっているが、彼はこの姿も様になっている。知的とか、冷静とか、中身を知る前に1つ率直に出てくる感想がある。
「なんと説明すればいいだろうか…。理屈じゃないというのもあるが…、」
「……」
「ただ単に、俺がそう信じたいのだろう」
その言葉と同時に、普段閉じている目が開き、彼は静かに微笑んだ。切り揃えられた髪と同じ色の茶色の瞳。最初は和風美人と例えたその言葉。
(綺麗)
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otohsun08050054(プロフ) - ヤバい！めちゃくちゃ面白いのですが！もっと早くこの作品に出逢いたかった(>_<) (2020年7月28日 9時) (
レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - もんたろさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉をいただき感激です…！不定期更新ではありますが、完結までお付き合いいただけると幸いです(´ｰ｀*) (2017年12月2日 0時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
もんたろ(プロフ) - テニス部の私生活？って言うんでしょうか…それがなんだか自然体って感じですごく好きです。登場人物達の雰囲気が皆やわらかくて読んでいてほっこりします。更新頑張ってください！ (2017年12月1日 23時) (レス) id: 47cdc4e065 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 和堂 桜さん» コメントありがとうごさいます！1つの話で詰め込みたい内容が多すぎて今みたいな感じになっております…。アドバイスいただいた内容を参考にしながら徐々に改善していこうと思います！ご指摘ありがとうございました(´ｰ｀*) (2017年11月26日 1時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
和堂 桜(プロフ) - 内容は魅力的なんですが・・最初の方から、「」以外の説明？みたいなところが文字がつながりすぎて読みにくいです・・。改行？とか空白を多くすると読みやすくなるかと・・すみません！！もったいないなーと思いまして！！ (2017年11月25日 20時) (レス) id: 5cbf3e7e7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2017年10月6日 18時
