答えは最初から ページ36
_
「まさかこんなに世間が狭いとは思わなかったね。みんな君と知り合いなんて」
「エエ、ソウデスネ」
「なんで片言なんだ？」
「気のせい」
「なんにしても、なかなかこんな事ありませんよ。運命を感じますね」
「袖触れ合うも他生の縁、だな」
運命？ガラガラと音を立てて私の平穏が崩れてくこの状況がか？運命自体を否定するわけじゃないが、今の状況を運命と名付けるなら私は己の全てをかけて否定しよう。
「随分とげんなりした顔じゃのう？八神」
隣から声がし振り向くと、サボリ魔がニヤニヤしながらこちらを見てきた。なんだかんだ同じクラスの柳と真田を除いて1番顔を見てるのは彼である。話した事はないが。
「いつも見送りごくろーさん。思いの外早く名前が知れたのぅ」
「はぁ」
「見送り？どういう事か興味深いな」
「どういう事も何も、今初めて話した」
「はぁ？なんじゃそりゃ」
「サボリ魔がサボる時うちの教室の前の階段使うの。その時手を振られたから見送るようになっただけ」
「手を振り返された事はないんじゃがな。つか、間違っちゃいんがその呼び名は傷付くのぅ」
知るか。週に何回見送ってると思ってるんだ。つかそもそもなんで手を振られるようになったのかもこっちはわからんというのに。
「だって名前知らないし」
「仁王雅治。覚えときんしゃい」
仁王のその言葉をきっかけに、他の面々も自己紹介をし始める。何を勝手に始めてるんだやめてくれ…。
「俺は丸井ブン太、シクヨロ！あいつは相棒のジャッカル」
「ジャッカル桑原だ、よろしくな」
「みんなばかりズルいな。俺は幸村精市、よろしく。」
「……八神Aです」
覚えろってか。君達がテニス部だとわかった以上、これ以上関わる気はないぞ。簡単にフルネームを伝えてサッサとこの場を立ち去ろうとしたけど、幸村が笑顔で「行っちゃうの？折角だしここにいなよ」って脅し…言ってきたので渋々残る事にした。神様、私が何をしたというんだ。
1番安全だと思われる柳と柳生の間に座り、持ってきた本を読もうとすると、柳に本のタイトルを聞かれた。それに答えると意外にも真田が読んだ事があるらしく驚き。その話に幸村と柳生も加わり、丸井はつまんなそうに、ジャッカル君はそんな丸井を慰め、仁王は興味なさげだが話は聞いているようだ。途中で幸村と柳が小声で何か話していたようだが、特に気に留める事なく私の昼休みは終わった。
(これが本当の序章)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
otohsun08050054(プロフ) - ヤバい！めちゃくちゃ面白いのですが！もっと早くこの作品に出逢いたかった(>_<) (2020年7月28日 9時) (
レス) id: 736f999e12 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - もんたろさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉をいただき感激です…！不定期更新ではありますが、完結までお付き合いいただけると幸いです(´ｰ｀*) (2017年12月2日 0時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
もんたろ(プロフ) - テニス部の私生活？って言うんでしょうか…それがなんだか自然体って感じですごく好きです。登場人物達の雰囲気が皆やわらかくて読んでいてほっこりします。更新頑張ってください！ (2017年12月1日 23時) (レス) id: 47cdc4e065 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - 和堂 桜さん» コメントありがとうごさいます！1つの話で詰め込みたい内容が多すぎて今みたいな感じになっております…。アドバイスいただいた内容を参考にしながら徐々に改善していこうと思います！ご指摘ありがとうございました(´ｰ｀*) (2017年11月26日 1時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
和堂 桜(プロフ) - 内容は魅力的なんですが・・最初の方から、「」以外の説明？みたいなところが文字がつながりすぎて読みにくいです・・。改行？とか空白を多くすると読みやすくなるかと・・すみません！！もったいないなーと思いまして！！ (2017年11月25日 20時) (レス) id: 5cbf3e7e7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：渡邊 | 作成日時：2017年10月6日 18時
