【MF】海のような彼【ライガー】 ページ1
＊
「ライガーって、変わったね。」
「なんだ突然？」
「なんとなく、そう思っただけ。」
「俺様からすれば、お前も大概変わってると思うがな。」
「そうかな？ゲンキ程じゃないと思うけど。」
「アイツとはまた別の意味でだ。」
ヒノトリの円盤石を探して旅をしている最中、食料が底を尽き調達する事になった。野宿の拠点をホリィ、スエゾー、ゴーレムに任せ、ゲンキ、モッチー、ハムはさかなモドキを釣りに、私とライガーは木の実を探す為に別行動をとっていた。しかし、生憎の雨が降ってきてしまい、拠点に戻る前に本降りになってしまった。大樹の下で雨宿りをしながら、ふと出てきた話題がそれだった。
「何故そう思った？」
「なんだろう…、仲間になったばかりのライガーって結構自由にしてたなーと思って。自重しないというか、俺様というか。」
「ひでぇ言われようだな。言われてる俺様の身にもなれ。」
「昔はって意味なんだから許してよ！…今は、すごく優しくなったと思う。」
「……」
脳裏に浮かんだのはゲンキ達と一緒にワルモンに立ち向かっていく後ろ姿や、仲間が欠けていないか周りを常に見る姿、時にはいつも喧嘩ばかりしているハムをも助ける勇敢な姿。
「なんだかんだいつも助けてくれる。守ってくれる。いつもライガーには感謝してもしきれないよ。ありがとう。」
「なっ…、」
「ふふっ、改めてお礼言うとなんか照れくさいね。」
ライガーの顔を見るのが恥ずかしくなって、思わず遠くの景色に目を向ける。雨足は少し弱くなっていた。通り雨なのだろう。
「…俺様も同じだ。」
「え？」
「俺様もAに感謝している。」
ライガーからすると、彼女の笑顔にいつも救われている。危険な旅とわかっていても、彼女の笑顔を見ると本来取り戻さなければいけない平和がすぐそこにあるようで安心する。そしてとても愛おしさを感じる。今まで嫌っていた人間にこんな感情を抱くなんて、それこそ昔の自分じゃあり得ない。だがホリィの優しさとはまた違う優しさに救われるのだ。
「え、私ライガーになんか感謝される事あったっけ？教えてよー」
「ふんっ、誰が教えるか。自分で考えな。」
「あ、まだ雨が…ん？」
いつの間にか雨が止んでいて、雲の切れ間から光が漏れていた。前を歩いていくライガーの深い青の鬣が細やかに光り、とても綺麗で先程とは逆に目が離せずにいた。
「どうした？行くぞ。」
「…あ、待ってよ！」
(それを見た私は)
(彼は海に似てると思った)
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渡邊(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます！対応させていただきました。 (2018年3月20日 22時) (
レス) id: 92fda3aa32 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 二次創作ならオリジナルフラグ外して下さいね (2018年3月20日 21時) (レス) id: 3317a5c9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡邊 | 作成日時：2017年7月5日 17時
