事実確認 ページ9
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いつも自分が寝ているベッドにメア君を寝かせ、リビングに戻りPCの電源を入れる。立ち上がりを待つ間に自分の髪も簡単に乾かし、キッチンでホットココアを入れてPCに向かう。
「(自分の記憶が全てというわけじゃないけど…セレンファーレンなんて国名は聞いたことない…)」
検索画面で「セレンファーレン 国」と打ち込み、調べてみる。だがそんな国名はなく、自分の聞き間違いかと思い似たような国名を探してみたが、それも検索に引っかからなかった。このご時世、間違えた単語で調べてもなんとか正解に辿り着く事もあるのにだ。
「(やっぱりない…。だとしたらメア君は一体何処から来たのか、何者なのか…。)」
ふと幽霊?宇宙人?等非現実的な思考も過ぎったが、もうそんな夢を見る年齢ではない。でも鍵の掛かってた玄関と窓から彼が室内に入れるわけがない。ましてや彼はまだ子どもだ。頭の回転が速いとはいえ、ピッキングなんてもの出来るとは思えない…いや思いたくないが正しい。
その後も調べていく内に、嫌でも非現実的な内容も視野に入ってきてしまう。
「異世界、異次元、ねぇ…。はぁ……」
考えれば考える程頭が痛くなる。それに、彼が自分の名前を知られた時に見せた反応も気になる。まるで知られてはいけないような、怯えてるような。その真相を今後彼が教えてくれるとは思わないけど。
PCの電源を落とし、ココアの入っていたマグカップを簡単に洗って自室に向かう。ベッドに寝かせてた彼は膝を抱えるように丸くなって寝ていた。そんな小さくならんでも、堂々と手足を広げ伸び伸びと寝ればいいのに、と思ったが彼はそんな質じゃないだろう。前髪を軽く払えば、寝不足なのか少し隈がある目元が見えた。顔を近付けてよく見ると、少し乾いてきているが涙が伝った跡がある。平気な態度を取っていたが、やはり不安は拭えないんだろう。
「(私に…この子の不安を和らげる事が出来るのか…?私に…?)」
「ん…っ」
「あに、うえ……」
「……」
この際彼がなんで私の部屋にいたかなんてどうでもいい。彼からしたら右も左もわからない場所に放り出されたようなものだ。そんな彼が気になって、故郷に帰れるまでここにいていいと自分から言い出したんだ。私が彼を守る理由なんて、それだけでいいじゃないか。もう考えるのも面倒になってきた。メア君の隣の空いてるスペースに入り、私も重い瞼を閉じた。
(そんな声で泣くな)
(気休めだが、温めてあげるから)
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渡邊(プロフ) - 黒狐コハクさん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…!応援ありがとうございます!ネタが尽きたらリクエスト募集も考えてますのでお気軽にどうぞ(´ー`*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - ((MOE.moena))さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…!応援ありがとうございます!不定期更新にはなってしまいますが、どうぞ見てやって下さい(´ー`*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐コハク(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年7月24日 15時) (レス) id: 5ba6ab7e8b (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 面白すぎます!!更新楽しみにしてます!! (2017年7月21日 18時) (レス) id: 96d33f0c34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渡邊 | 作成日時:2017年1月13日 17時