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初めて見た ページ7

*

「あー…良い湯…」
「……」
「熱くない?」
「…あぁ。」
「逆上せないように気を付けるんだよ?」
「……」
「…?」


風呂に一緒に入る事を許してくれた(というか諦めた)メア君だったが、ずっとこんな調子。夕飯の時と同様会話は少ないが、少し違和感を感じた。まぁ10歳くらいとはいえ、人によっては思春期に入りつつある年齢だろうし、それのせいかと考えたがそれでもなさそう。そもそも勝手に10歳くらいと捉えているが、実年齢はいくつなんだろうか?後で聞いてみよう。教えてくれるかわからないが、先にこの違和感の正体を知りたい。


「どうした?」
「え…?」
「いや、ちょっと違和感というか…ボーっとしてるなぁと思って。」
「…なんでもない。」
「そ。」


まぁ教えてくれないか。その返答の後にメア君に先に洗うよう促すと、浴槽から出て自身を洗い始めた。


「わっ…泡が…!」
「あははっ、思ったより泡立ってびっくりした?」
「う、うるさい…」
「ごめんごめん。あ、リンスはシャンプー程泡立たないけど、それが普通だから気にしないで。」
「ふーん…」
「(あ、目初めて見た…。)」


髪を洗っている時に先程までずっと隠れていた目が見えた。この世界では中々お目にかかれない綺麗な深紅の目。彼のいた場所ではあまり珍しくないのだろうか?私がジッと見ているのに気付かないまま髪を洗い終わり、シャワーで流した後はまた前髪で目を隠す。きっと目が隠れていないと落ち着かないんだろうと勝手に自己解決した。

この風呂のいろいろな物に慣れてないが故の彼の新鮮な反応が面白くて笑みが零れる。給湯リモコンで追い焚きボタンを押した時に、丁度メア君の後ろから湧き始めた時の反応が一番面白く、声を殺して笑っていたら思い切り睨まれた。(だって驚いた顔でこっちに飛び付いてきたらそりゃ笑えるだろ?)


「出る…。」
「はいよ。寝巻置いといたから、今日はそれ着て。」
「あぁ。」
「…拭いてやろうか?」
「っ、うっさい!」


うざったそうに言われ思い切り戸を閉められる。そんなに強く閉めたら戸が壊れるだろ…。

1人になった浴槽に足を伸ばし、一息つきながら今後の事を考える。明日は彼の日用品や服、2人分の食料を買い出しに行かなければ。子どもとはいえ初対面の奴相手にここまでするのもおかしな話かもしれないが、


「(なんか放っておけないんだよな…)」



(あの深紅の瞳から不安と警戒がなくなればいいのに)


_

安心する風→←恥じらいはない



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渡邊(プロフ) - 黒狐コハクさん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…!応援ありがとうございます!ネタが尽きたらリクエスト募集も考えてますのでお気軽にどうぞ(´ー`*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - ((MOE.moena))さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…!応援ありがとうございます!不定期更新にはなってしまいますが、どうぞ見てやって下さい(´ー`*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐コハク(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年7月24日 15時) (レス) id: 5ba6ab7e8b (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 面白すぎます!!更新楽しみにしてます!! (2017年7月21日 18時) (レス) id: 96d33f0c34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邊 | 作成日時:2017年1月13日 17時

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