仕事場にて ページ28
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「ご迷惑をお掛けして本当にすみませんでした。」
「気にしないで。その分2人が頑張ってくれたから。」
「ほんっとに大変だったんだからな!!感謝しろ!」
「大丈夫でしたか…?親戚の子どもを預かったって…」
「うん、なんとかね。」
出勤して早々一目散に店長と後輩2人に謝罪した。当たり前だ3日間も休んだんだ…しかも前日に連絡。流石に怒られると思ったが、思いの外責められなかった、約1人はまだぎゃんぎゃん言ってるが。
「けど、家に1人にしちゃってよかったの?なんならお店に連れてきてもよかったけど」
「店長はこいつの事甘やかしすぎです!ガキ連れてこられてなんかあったらどうするんすか!?」
「裕哉(ゆうや)さん…落ち着いて下さい…」
「休みの間ずっと一緒にいたので今日初めての留守番なんです。メモ置いてきたので多分何もないと思うんですが…」
「それならいいけど、何かあったらいつでも相談してね。僕子育て経験者だから。」
「…ありがとうございます。」
以前から薄々気付いていると思うが、ここの店長はとても優しくて緩い人だ。人に甘くて逆に怒られたり心配されたりするが、自分が作った状況の中でそつなくこなす器用な人だ。
私の謝罪会見(?)が終わり、開店の準備に取り掛かる。コーヒー豆の準備や軽食用のサラダの準備、店内の掃除等を分担してやり、最後に外の札をCLOSEからOPENに変える。料理は殆ど店長が作るので私や後輩達は手伝い程度だ。テーブルを水拭きしていると、床の掃き掃除をしていた男の後輩が近付いてきた。名前は裕哉。同い年だけど私より後に入ったので後輩だ。
「青葉、」
「ん?」
「一応言っとくけど、お前が休んでる間の1日だけ逹(たつ)さんが昼間出てくれたんだからな。」
「え、」
「お礼言っとけよな。」
そう言い残し箒を片付けに店の奥に行ってしまった。先程名前の挙がった人は店長の息子で私の先輩。基本夜の時間だけ出ているので、そんな人にまで迷惑をかけた自分が腹立たしい。私が帰る前には出てくると思うからその時に謝ろう。
「(それにしても、大丈夫だと思いたいけど…本当に大丈夫か…?)」
今朝見送ってくれた彼の姿が浮かぶ。話を聞いたところ、故郷でも殆ど1人でいたらしい。でも従者がいたようなので食事や身の周りの事は不便なく過ごしていたようだ。だが今は完全に1人。数時間は自分の身の周りを全部自分がやらなければいけない。
(今日は終わったらすぐ帰ろう)
(先輩に謝るのを忘れずに)
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渡邊(プロフ) - 黒狐コハクさん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…!応援ありがとうございます!ネタが尽きたらリクエスト募集も考えてますのでお気軽にどうぞ(´ー`*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - ((MOE.moena))さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…!応援ありがとうございます!不定期更新にはなってしまいますが、どうぞ見てやって下さい(´ー`*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐コハク(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年7月24日 15時) (レス) id: 5ba6ab7e8b (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 面白すぎます!!更新楽しみにしてます!! (2017年7月21日 18時) (レス) id: 96d33f0c34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渡邊 | 作成日時:2017年1月13日 17時