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夕飯にしよう ページ3

*

前回までのあらすじ。もさもさヘアーの少年が不法侵入してました。以上。

無言の時間も含めて約10分程彼とこんな調子を繰り返している。


「どうするも何も…、こっちはなんで君がうちにいるのかもわからないのに。」
「そんな事言って、オレが誰かわかれば目の色変えて襲ってくるんだろ…。」
「だから君誰だよ…。」


どうやら名乗る気はないらしい。まぁこんなに警戒している相手に名乗る気なんざ起こるわけもないか。これでは埒が明かない。もう彼の事は放っといてさっさと夕飯作ろう。

スウェットに着替えて髪を一つに縛り、料理に取り掛かる。なんかこの短時間ですごく疲れた気がする。簡単に作れるものにしよう。


「……(じーっ)」
「……(見てる見てる見てる…)」


対面キッチンなので、お互いの様子が確認できる。少年はさっきと変わらない位置から私をジッと見つめてくる。(前髪が長すぎて本当にこっちを見ているのか定かではないが)私が不審な行動をしないように見張っているつもりなのか、それともただ単純に腹が減ってるだけなのか。子どもだし後者であっても可笑しくはない。

米を炊き、冷蔵庫にある野菜を適当に入れて野菜炒めにした。スープはインスタント。一人暮らしなんてこんなものさ。出来上がった夕飯をテーブルに置く。頼まれてはないが、少年の分も置いた。


「…それ、」
「君の分。腹減ってるだろ?」

ぐ〜っ……

「う…。」
「何時からそこにいたか知らないけど、ご飯くらいなら1人分多く作るのなんてあんま変わらないし。」
「…毒、は」
「入ってないよ。なんなら私から食べてもいいし。それか君の分一口食べて確かめてあげようか?」
「……」


のそり、とゆっくり立ち上がり私の前に座る。実は少年の方から腹の虫の音が聞こえてきたんだよね。元々一緒に作るつもりだったから逆に腹減っててくれて良かった。


「いただきます。」
「…ん。」


なんて躾のなっていないガキなんだ…いただきますくらい言いなさい。私が食べていたらまた視線を感じた。毒が入っていないかどうか確かめてるにしては見る時間が長い。今度はなんだ?


「…食べないのか?」
「…それはなんだ。」
「それ?」
「2本の棒…。これで食べろというのか…?」
「え…?箸を知らないの?」
「はし…?いつも、スプーンとフォークで食べてる。」


まじかよ…。



(もう何も考えずにお望みの物を持ってきた)
(そしたらすごい勢いで食べてくれたので良しとしよう)

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渡邊(プロフ) - 黒狐コハクさん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…!応援ありがとうございます!ネタが尽きたらリクエスト募集も考えてますのでお気軽にどうぞ(´ー`*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
渡邊(プロフ) - ((MOE.moena))さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありませんでした…!応援ありがとうございます!不定期更新にはなってしまいますが、どうぞ見てやって下さい(´ー`*) (2017年10月13日 20時) (レス) id: 2443de6131 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐コハク(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年7月24日 15時) (レス) id: 5ba6ab7e8b (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 面白すぎます!!更新楽しみにしてます!! (2017年7月21日 18時) (レス) id: 96d33f0c34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邊 | 作成日時:2017年1月13日 17時

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