渡したくないもの

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Side Shota.

当落発表の日。
ありがたいことに朝から仕事で、空いた時間になんの可愛げも無く聞きたいことだけを聞いたメッセージ。


だけど、いつになっても返信は来なくてもしかして落ちた？
落ちたなら言ってくれれば席取るのに、などと柄にもないことを考えてしまうくらいには彼女のことを考えてしまう自分がいて。


確かに、見た目はタイプだったし恋愛の価値観だったり俺らのファンらしいのにアイドル扱いしないところも惹かれるところだった。



でも、出会ったばかりの女にこんなにハマる自分がいるなんて知らなくて。
久しぶりに味わった恋愛のモヤモヤするんだけどどこか不快じゃないこの気持ちも全部顔に出てたらしく。


涼太にはそっこーでバレるし康二には "しょっぴーなに、ニヤニヤしとるん！"とか言われるし散々。
Aから返信も来ねえし。


後ろからふっかに "おーい、渡辺さーん、聞いてる？"と言われびびって思わず椅子から飛び上がるとそれをキャハキャハ笑う末っ子。


　「 んだよ、びっくりすんだろ、」
深「いや、割とこっちのセリフだわ！なんかあったの？ってずーっと変だよ今日。」
　「 いや、？ なんもねぇよ、」
深「 Aちゃんって誰？翔太の彼女？」
　「 は！？ちげぇし！！てか勝手にみんな、」
深「 既読無視されてんじゃん。わら 」
　「 …ぅるせぇ、」
深「 もう一回送ったら？意外とどうしたらいいかわからなくて返ってこないだけだったりするかもよ。」
　「 …別にアドバイスとかきいてねえし、」
深「 はいはい。」

ふっかはニヤニヤしたまま、佐久間達の所でまた話始めてて
俺はふっかのアドバイス？を素直に聞いてもう一度だけ連絡してそれでも返ってこなかったら諦めようと思って
もう一度メッセージを送った。


それは、普通に返ってきてホッとしたと同時にライブは当たったと返ってきてこっちまで嬉しくなる。

ただ、目黒担の彼女はやっぱりうちわはめめらしくて、また柄にも無く 「 俺のは買わないの 」なんて聞いて恥ずかしくなって。

彼女に推されるめめが羨ましくてちょっとだけ睨んだら
めめに"翔太くんになんか凄い睨まれてる…"と落ち込まれてしまった。

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