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メイドは枕を抱えて戻ってきた。
すぐさまスマイヌに匂いを嗅がせると、なぜかスマイヌは飛び跳ねそうな勢いで耳と尻尾を立てた。
sm「覚えたな？」
「ワンッ！」
やけに嬉しそうな返事をするスマイヌの目は妙に興奮している。
まぁ、覚えたんなら問題ないから特に気にせず「行け」と言うと辺りを嗅ぎながら歩き始めた。
嗅いでは進み、嗅いでは進み。
刺客から逃げていたためかAの足取りは屋内外問わず
様々なところへ進んでいた。
そして次第に誰も寄り付かないような人気のない城の外れまで辿り着く。
手入れの行き届いた本城とは違い廃れた石造りの塔が聳えるここは、ユウガオの塔と呼ばれている。
約15年前、まだこの国が王政だった頃。
王と遊女の間に子供ができてしまった。
その事実を知り、自分の醜聞が世に知れることを恐れた王がその遊女と娘を幽閉するためにこの塔は建てられた。
5年前に俺らが君主になった時
王族はもちろん、ここに住む遊女も娘も殺した。
最後に手を下したのは、確かシャークんだったと思う。
そんなユウガオの塔も今は使われておらず、人の気配はない。
そんな塔を隠すように生い茂る木々へ向かって赤茶色の染みが転々と続いていた。
まるで訪れた者を導いているようにも感じる血痕を嗅いでスマイヌは低い声で鳴いた。
sm「アイツのものか」
スマイヌはもう一度吠える。
日が落ちて黒くなった木々がザワザワと身を振っていた。
とっくに開いた傷口からどくどくと脈を感じる。
自分の腹部を一瞥し、茂みに向かって足を進めた。
まだ刺客が潜んでいる可能性も無くはない。
腰に刺した剣を抜いてスマイヌの後を追う。
足に小枝が当たって折れる。同じように不自然に折れた枝や草が踏まれた跡があるから、Aがここ来たことは間違いないと見ていいだろう。
「ワン！ワン！」
スマイヌが一層激しく吠え出した。そこに人影はない。
俺の腰ほどまで伸びた草から見えないということは
その人物は少なくとも立っていられる状態ではないということを意味している。
倒れているか、座っているか
あるいは、死んでいるか
一度止まって生唾を飲み込んだ。
絡まるような草を踏み倒して歩みを進める。
見えたのは既視感のある黒いスーツ。
地面に横たわる横顔は口元が血に濡れている。
瞳は閉じられていて色は見えないが、よく見知った顔だった。
sm「…見つけた」
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そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 1から読んだら色々ボロが出てくるから読まなくて大丈夫です！笑笑ほんとに全ての内容を忘れたあたりで読み返すことをおすすめします！ (2022年7月8日 10時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - そらと。さん» 続編読みました！いいですね、良いですね！少し時間がなく一から読み直されないのが悔やまれますが、いつか読み直したいと思ってます！ (2022年7月6日 13時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 読み過ぎですｗｗｗｗ何回読んでも変わらないですからｗ続編楽しみにしててくださいｗ (2022年7月2日 13時) (レス) id: 212d629fae (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - そらと。さん» 50ページの最後が凄く気になりすぎてとりあえず200話だけ2回読みました。ありがとうございます。もう一度1から読んできます！！ (2022年7月2日 12時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - すみれいんさん» 読んでいただいてありがとうございます！そしてお疲れ様です！これからも更新頑張りますのでまた見に来てください！！ (2022年6月24日 8時) (レス) @page45 id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2022年4月29日 23時
