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数十秒、いや数分私たちは無言で歩いていた。
手を繋いだまま、目の前の彼はただ真っすぐを見て歩いている。
決して大きくはない白いパーカーが視界を埋め尽くした。
na「もういっか...」
ポツリと呟く。
握る力を弱めて滑るように手が離れた。
自分の掌にはNakamu様の手の感覚がまだ残っている。その手に何となく視線を落とす。
na「大丈夫だった？...って言っても俺は全部見てたんだけど。一応ね。」
肩をすくめて笑う彼に微笑みを返す。精一杯の返事だった。
頭の中は先ほどのBroooock様のことで埋め尽くされている。
歪に笑うその顔も、蜂蜜のように甘いドロドロとした愛情も、読めない行動も
全くもって全てが不快に感じた。
以前の無垢な瞳を揺らしてほほ笑む彼とはまた別の人間のような振る舞い。
あの日の出来事は夢だったかと錯覚してしまう程だった。
Broooock様が見えないな...
na「...？、A？」
何度目なのかは分からない。でも、多分数回呼ばれたであろう自分の名前がハッキリと聞こえ
勢いよく顔を上げる。眉を下げたNakamu様が私の顔をのぞき込んでいた。
『あっ、申し訳ございません。考え事をしておりました...』
na「Broooockのことか」
疑問形でない。不正解でもないから否定しない。
そのまま縦に数回首を振った。
na「Broooockの様子は変ってレベルじゃない。確かに変わった奴ではあるけれどそれは俺ら全員に言える。言い換えればある種の個性と同一のものだし、あそこまで不可解なもんじゃなかった。
多分薬のせいでしょこれ。それ以外の理由がほぼない。」
拳が握られていることに気が付いた。
悔しそうに、怒っているように小さく震える。
『禁断症状に近いものかもしれませんね。躁鬱状態が続いているようにも感じ取れました。
薬の投薬頻度や症状についてはもっと近くに居ないと把握できないので、これからはもう少し接触を試みていかなければいけませんね。』
あまり乗り気はしない。今日の態度で接してきたら私はいつか平静を保てなくなるだろう。
自分の身に何が起こるかも分からないし、いくら共有できるとはいえ安全とは言えない。
窓の外へ視線を向けて初めてあの人に会った夜のことを思い出した。
恐怖が全身を支配したあの重苦しい記憶を。
そこまで思い出してふと、思考が止まった。
......あぁ、いや。別にいいか。と
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そらと。(プロフ) - べあー。さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂け光栄です！！更新頑張ります✨影とは言わずゴリゴリ前面で応援してくださいwよろこびますw (2022年4月29日 0時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
べあー。(プロフ) - 初コメ失礼します、！主様の作品とても好きです…。見る度にドキドキするようなストーリーで最高…これからも更新頑張って下さい！陰ながら応援させていただきます。 (2022年4月28日 21時) (レス) @page50 id: 17a9fb7c09 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 睦月凛月さん» コメントありがとうございます！！とても嬉しいです！！表現褒めて頂けて光栄です✨更新頑張ります！ (2022年4月15日 17時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
睦月凛月(プロフ) - 最近読み始めたばかりだったのですが、世界観や設定が面白くて手が止まりません...!!!特に文章表現が美しく一瞬で惹き込まれました！これからの展開が楽しみです！応援してます！ (2022年4月15日 1時) (レス) id: 7b0725ea3a (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 仇花さん» えええ！！！嬉しいです！！！Twitterの名前はソラヌンティヌス@そらと。でアイコンは真っ白に縦書きで文字書いてます！！！@sorato_0720です！！！！ (2022年4月13日 15時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2022年3月27日 22時
