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しん、と辺りは静まり返る。
シャークん様はしばらく不思議そうに私を見つめていたが、ハッとして口を開いた。
shk「お前...苗字...いやそれよりも古語だって...」
『なんて言ったか分かりますか？』
shk「いや、声小さくてちゃんと聞き取れなかったし単語ちょっとわかったくらい...」
『そうですか...それならよかったです』
じゃあシャークん様には見えていなかっただろう。
その方がいい。私のことはこれ以上知らなくていい。
『苗字は本当に私のものです。もう平民なのであるようでないようなものですが
まあ、本名なのに変わりはありませんし、形式上使っただけだと思っていただければ』
shk「あ、あぁ。てか、それじゃあAってどこかの貴族...」
そこまで言ったシャークん様の口に人差し指の腹を押し付けた。
面食らってパチパチと目を瞬かせる瞳に映る私はスッと目を細めている。
『それ以上はどうか...』
指を離して立ち上がる。
肩から彼の上着を下ろして軽く畳んで手渡した。
『上着、ありがとうございました。それではこれからもよろしくお願いいたします。
もう遅いですし、いつ人に見つかるか分かりません。』
シャークん様は上着を手に取り袖を通した。
shk「あぁ、それもそうだな。じゃあ次はNakamuときりやんを交えて話したいな。
多分こんくらいの時間になると思う。場所はNakamuと話し合ってくれればそれに従う。」
『かしこまりました。』
メイドらしくネグリジェのスカートを掴み礼をする。
私はメイドで、平民で。
彼は君主で、貴族。
そう。それが目の前にある事実。
誰が見ようと変わらない真実。
shk「じゃあ俺は戻るわ。風邪ひくなよ。」
『はい、おやすみなさいませ。』
背を向けて軽々しく屋根を渡っていくシャークん様の姿に改めてハッとさせられる。
もう自分の意志で自由に動けるんだ、と。
胸に溢れる暖かい幸福感を握りしめて瞳を閉じる。
頬を撫でる夜風が心地よくて、息を目一杯吸い込んだ。
『.....大丈夫。今度は失わない。』
言葉は静寂に溶ける。
瞼を開けて私は屋根を蹴り上げた。
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そらと。(プロフ) - べあー。さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂け光栄です！！更新頑張ります✨影とは言わずゴリゴリ前面で応援してくださいwよろこびますw (2022年4月29日 0時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
べあー。(プロフ) - 初コメ失礼します、！主様の作品とても好きです…。見る度にドキドキするようなストーリーで最高…これからも更新頑張って下さい！陰ながら応援させていただきます。 (2022年4月28日 21時) (レス) @page50 id: 17a9fb7c09 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 睦月凛月さん» コメントありがとうございます！！とても嬉しいです！！表現褒めて頂けて光栄です✨更新頑張ります！ (2022年4月15日 17時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
睦月凛月(プロフ) - 最近読み始めたばかりだったのですが、世界観や設定が面白くて手が止まりません...!!!特に文章表現が美しく一瞬で惹き込まれました！これからの展開が楽しみです！応援してます！ (2022年4月15日 1時) (レス) id: 7b0725ea3a (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 仇花さん» えええ！！！嬉しいです！！！Twitterの名前はソラヌンティヌス@そらと。でアイコンは真っ白に縦書きで文字書いてます！！！@sorato_0720です！！！！ (2022年4月13日 15時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2022年3月27日 22時
