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食事の際に水を飲むななんて酷な選択だということは重々理解している。
それに、水が飲めなければ人間は3日程度で死んでしまう。
早くきりやん様と二人きりになりたい。
ただ黙って食事をする彼を茫然と眺めながらそれだけを考えていた。
案の定、食事には殆ど手を付けなかったので意外とあっけなく食事の時間は終わった。
一度料理を下げた後、次はお茶の準備をしに厨房へ戻る。
日和国の文化を好んでいたらしい彼には緑茶や煎茶などがよく出されるそうだ。
今日は玉露か...。
急須と湯呑と茶葉、そしてお湯と並べられていく。
一般的なセッティングは水の時同様になにもおかしいところはなかった。
『茶葉を見せていただいても？』
「え？茶葉を？別にいいけど...」
筒を手に取り蓋を開ける。
落ち着いたスミレのような香りが空気を覆う。
茶葉に変なものは入っていなさそうね。葉も均一だし色も綺麗。
茶筒を返して一旦きりやん様の部屋へ戻った。
異国の飲み物だけれどもきりやん様がよく嗜んでいるせいか淹れる手つきは滑らかだ。
『....え？』
思わず声を出してしまった。
初めからしん、としていた部屋だったけども勝手に私が声を上げたことで
張り詰めた琴線のような空気感へと様変わりをした。
急須に茶葉を入れていたメイドはギロリとこちらを睨んだ。
正直、そんなことはどうだっていい。
𠮟られても、罰せられてもいいから絶対にこのお茶が出来上がるのを阻止しないといけない...
『きりやん様、失礼を承知で進言してもよろしいでしょうか？』
「なっ！？貴方！！申し訳ございませんきりやん様っ！」
勢いよく頭を下げるメイドは横目で私に鋭い目線を向け続けていた。
態と見ないフリをしてきりやん様を真っすぐ見つめる。
痺れを切らして先輩のメイドが私の方へ近づき頭を下げさせようと後頭部を掴んだのと
ガタッときりやん様が立ち上がったのは同時だった。
「.....え、きりやん..さ、ま...」
ゆらゆらとした足取りは私の目の前で止まる。
するとグイッと手を引いて私をお茶の乗ったワゴンの前まで連れて行った。
顔を見上げればヘリオドールの瞳は真っすぐ私を見ていた。
『寛大な御心感謝いたします。
お尋ねしますが、こちらの白い粉は何でしょうか？』
茶葉かと思っていた小さな筒には真っ白な粉が入っていた。
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そらと。(プロフ) - 仇花さん» 自分で見ると大分稚拙な文章で恥ずかしいですが、、仇花様の様に私の表現を理解してくださる方ばかりで嬉しい限りです😭コメントありがとうございます。また読みにきてくれると嬉しいです！ (2022年4月13日 9時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
仇花 - 文才でしかなくて夜な夜な悶えてます、 (2022年4月13日 3時) (レス) @page21 id: e927d6963f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - ホホ。さん» 失礼なんてとんでもありません！ありがとうございます！！頑張ります！！！！！ (2022年3月27日 8時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
ホホ。 - コメント失礼します！この小説めっちゃ好きです‼更新頑張ってください‼応援してます！ (2022年3月26日 21時) (レス) id: c8edcf3e17 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 夏葵さん» 一気読みお疲れ様です！更新頑張ります！ありがとうございます！！ (2022年3月1日 11時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年11月13日 0時
