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どこか行かれたのかな？
ベルの音が鳴ってから部屋までの移動中にあの人とすれ違いはしなかった。
となれば……
視線を向けるは部屋の奥へと続く扉。
シャークん様の寝室だ。
病気の扱いを受けている彼はあそこで普段過ごしている。
薬で眠っていることがほとんどらしいので
今もきっとそうだろう。
でも、入るのはよそう。
待ってれば出てくるだろうし…
ぼーっと扉に掘られた装飾を眺めていると
不意にガチャリと音が鳴り、扉が開いた。
驚いて反射的に後ろに下がる。
「あぁ来てたんだね。気づかなかったよ。」
にっ、と曲がった目を向けるボルダリア公爵は
ドアノブに手を添えたままそう言った。
『お呼びでしょうか』
「君か…。いやぁ、人を呼んだのには訳があってね。
こっちこっち。入ってきて。」
彼が手招く方向を察してたじろぐ。
『ですが、その先は…』
シャークん様の寝室だ。
シャークん様自体に出くわすのが危険な上、君主様の寝室には許可なく入ることはお付きのメイド以外禁止されている事だ。
「いいんだよ。手伝って欲しいだけだから。」
グイッと乱暴に手を引かれて強引に敷居を跨いでしまう。
甘い匂いの染みついた室内は薄暗く、昼間なのにここだけ夜になっているような錯覚を覚えた。
Brooook様の寝室と作りは一緒だったものの
多分この間のように暴れたのだろう。
カーテンは所々外れ、サイドテーブルは転がり、本や衣類がそこらかしこに投げ捨てられていた。
こんな廃墟じみた空間にこの国の君主が居るという事実を受け入れるのに数秒時間を要した。
扉の前で突っ立ってるとボルダリア公爵に早くくるよう急かされてしまった。
「安心していい。シャークん様は今眠っておられる。
その間に治療をするんだけど、どうやら彼が薬を忘れてきてしまったみたいなんだ。」
ボルダリア公爵が顔を向けた先には白衣を纏った男性がいた。
暗くてよく顔は見えなかったけど、手元を照らすライトの光を受けて浮かび上がった顔はソワソワと仕切りにこちらを見ては手元に視線を落としたり、と何やら落ち着きがないように見えた。
「君にはね薬を取ってきてもらいたいんだ。
分かりやすく色分けされてるから君にも分かるよ。」
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そらと。(プロフ) - 仇花さん» 自分で見ると大分稚拙な文章で恥ずかしいですが、、仇花様の様に私の表現を理解してくださる方ばかりで嬉しい限りです😭コメントありがとうございます。また読みにきてくれると嬉しいです！ (2022年4月13日 9時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
仇花 - 文才でしかなくて夜な夜な悶えてます、 (2022年4月13日 3時) (レス) @page21 id: e927d6963f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - ホホ。さん» 失礼なんてとんでもありません！ありがとうございます！！頑張ります！！！！！ (2022年3月27日 8時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
ホホ。 - コメント失礼します！この小説めっちゃ好きです‼更新頑張ってください‼応援してます！ (2022年3月26日 21時) (レス) id: c8edcf3e17 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 夏葵さん» 一気読みお疲れ様です！更新頑張ります！ありがとうございます！！ (2022年3月1日 11時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年11月13日 0時
