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ここまでお香にフォーカスを当て続けたら
聡明すぎる読者の皆様にはあくびが出るほど
つまらない話だったかも知れないが
私はそれが彼らの異様な変化の片棒を担いでいると思っている。
でも、全員に会っていないから結論に至れない、という事実と
お香だけが原因であれば何かしらメイド達にも被害が出ていなければ辻褄が合わないという事実が
これ以上の結論を留まらせている。
お香は意識障害を誘発させるもののような気がする。
実際シャークん様の部屋であの香りを嗅いだとき
頭が必要以上に混濁したような気がする。
痛みや危機感が薄れて思考が投げやりになるようなそんな感覚があった。
幸いにも掃除中だったから窓は開いていたし
寝室から一部屋隣の部屋だったから届くお香の量は
大分軽減されていただろう。
そのおかげで特に中毒に侵されることなく体から抜けていったとと思う。
先輩が淹れてくれた紅茶の水面をじっと見つめながら
思考を巡らす。
透明度の高い紅い水の底に沈む茶葉のかけら。
ゆらゆらと遊んでは沈む小さなソレは最後まで残って
口の中で小さく嫌な感触を生む。
病気なんかじゃない。
彼からは
何者かに
陥れられている。
カチッとピースがひとつ嵌った。
初日以来、シャークん様が運悪く起きてくるようなことはなく、
1日1回部屋の掃除をして、その後はボルダリア公爵様に呼ばれない限りは基本的に一般メイドと変わらない仕事をしている。
Nakamu様の場合は食事を運んだり
紅茶を淹れたりしてたけどまあそれも必要ないので
手持ち無沙汰で先輩達に紅茶を振る舞う毎日となった。
このまま進展なしか、
なんてこのまま時間を棒に振ることが頭をよぎった時
チリン、とベルの音が鳴った。
あ、と先輩が声を発して腰を上げた。
『私が行きます。折角紅茶を淹れたばかりなので
皆さんはそのまま休んでてください。何かありましたら戻ってきます。』
そう言いシャークん様の部屋へ向かう。
恐らくベルを鳴らしたのはボルダリア公爵様だろう。
初めて会った日からあまり良い印象のないあの人の元へ行くのは気が引けるが、仕事だ。割り切らなきゃ。
鮫のレリーフがついた扉を開けると中には誰も居なかった。
『…？』
首を傾げてさらに奥へ足を踏み入れる。
本棚の影になってたりするのかと思えばそうでもなくて
本当に誰も居ない静かな空間にポツンと私は立っていた。
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そらと。(プロフ) - 仇花さん» 自分で見ると大分稚拙な文章で恥ずかしいですが、、仇花様の様に私の表現を理解してくださる方ばかりで嬉しい限りです😭コメントありがとうございます。また読みにきてくれると嬉しいです！ (2022年4月13日 9時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
仇花 - 文才でしかなくて夜な夜な悶えてます、 (2022年4月13日 3時) (レス) @page21 id: e927d6963f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - ホホ。さん» 失礼なんてとんでもありません！ありがとうございます！！頑張ります！！！！！ (2022年3月27日 8時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
ホホ。 - コメント失礼します！この小説めっちゃ好きです‼更新頑張ってください‼応援してます！ (2022年3月26日 21時) (レス) id: c8edcf3e17 (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 夏葵さん» 一気読みお疲れ様です！更新頑張ります！ありがとうございます！！ (2022年3月1日 11時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年11月13日 0時
