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軽く笑みを溢して相槌を打つ。
たまに「凄い」とか「流石ですね」などと何にでも当てはまりそうな言葉でその先を促すとお客様は上機嫌になって息子さんの自慢話を続ける。
その合間に入ってきたお客様をご案内して、少しの挨拶の後注文を聞いて再びカウンターへ戻る。
つまるところ4割程度しか話を聞いていなかったけど、何となく乗っかっていたら満足したのか。
お代をカウンターの上に乗せて席を立った。
店先までついて行き、カランとベルのついたガラス戸を開けると温かな日差しの匂いがふんわりと肌を撫でてすり抜ける。
とても気持ちのいい昼下がりだ。
昨日のことが嘘みたいに晴れ空が私を見下ろしていた。
『ありがとうございました。またお待ちしてますね。』
「えぇ、あまり頻繁には来れないけどまた来るわね。ご馳走さ……ﾋｯ…」
小さい悲鳴が聞こえたのを不審に思い下げていた顔を上げると、
先ほどまで居なかったはずの人影がお客様の前に立っていた。
鍛えられた体が岩のようだと感じるほどの圧のある肉体に
国のシンボルマークのついた剣を腰に携えて
睨むように上から見下ろす男の視線はどう考えても私に向けられていた。
『いらっしゃいませ。騎士様方。どうぞお好きな席へおかけください。』
「………この店のAっていうやつはお前か？」
真っ直ぐに見下ろされた視線に一瞬怯む。
自分に用がないと悟ったお客様はそそくさと逃げるようにして私と騎士様の間を抜けて雑踏の中へ飛び込んでいった。
そして残ったのは沈黙。感情のない目はただ任務を遂行することしか頭にないロボットのようだ。全くの清廉潔白の身ではあるが、
最近の国の動向が良くない為どんな言いがかりをつけられるか予想もできない。
少し警戒しながらも先の質問を肯定すると、
騎士様は部下のような人に斜め後ろから差し出された書類を私に突きつける。
「この店はたった今、この瞬間を持って閉店だ」
『………………………………は？』
ざわざわと騒ぐギャラリーたちの声が耳に届くようになって
私の思考はそこでやっと目の前の男の言葉を理解した。
『い、今何と仰いましたか？』
手前に組んだ両の手がかすかに震えていたが
紛らわすように力を込めて相手を見つめる。
「この店は今日でなくなる。今すぐ荷物をまとめるんだ」
何度聞いても相手の主張は変わらない。
閉店だという無機質な言葉が脳内に木霊した。
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そらと。(プロフ) - 天音さん» あら、それは運命ですかね、、、また見つけてくれてありがとうございます。頑張りますね！ (2022年3月4日 7時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - まだログインもしてなかったし、お気に入り登録とか知らなかった。そんな昔にみたお話...、のはずなのにまた見つけられた...？！このお話はおもいでの作品のうちの1つです。無理せず頑張ってくださいね！！！ (2022年3月3日 0時) (レス) @page9 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» フォローありがとうございます！！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
狛犬 - お手数かけてすみません！アカウント名は「狛犬 @nTdKEqUijhOcqHZ」です誤字ってたらすみません！ (2021年11月16日 18時) (レス) id: 0666cd5f1f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» うーん、、、一応私のプロフにもHPの欄にURL載せてるのでそこから飛べなかったら私がお迎えに行きますのでユーザー名など教えて頂けると嬉しいです！ (2021年11月12日 17時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年9月20日 3時
