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「Aちゃん、なんだかやつれてるんじゃないかい？」
ティーポットに茶葉を入れる手を止めて声の方を振り向く。
心配そうな表情に笑顔を返す。
攫われましたと話したところで無駄な騒ぎとなるだけだろう。
『いえいえ、そんなことありませんよ。
今日のもお砂糖２つにミルクでいいですか？』
お客様が了承の意味を込めて頷く。
これ以上の詮索は許さないよう念押しで微笑を残してから背を向けた。
白く塗られた木製の戸棚に並ぶカップを眺める。
その中から黒猫と可愛らしい赤い小花が咲くティーカップを手に取ってお湯を注ぐ。
その間に濃い目に淹れた紅茶に温めたミルクと砂糖を手元に並べた。
カップのお湯を捨てたら紅い水面を張らせて、優しい白を注ぎ込む。
『お待たせいたしました。ミルクティーです。』
小さなお皿にクッキーを二つ。
ソーサーに乗せたカップをお客様の目の前に置いて軽く一礼をした。
「ん〜、本当にAちゃんの淹れるお茶は美味しいわあ」
『ふふっ、喜んでいただけて嬉しいです。茶葉はまだお家にありますか？』
私の声が届いた途端、カップを持つ手をソーサーに戻して
お客様はふぅ、と小さく息を吐く。
「今日は大丈夫よ....ごめんなさいね....」
『いいえ、仕方ないことです。こうやってまたお店にいらっしゃって頂いただけで十分嬉しいですよ。』
「本当になんでこうなっちゃったのかしら.....君主様たちは何を考えているのでしょうね.........」
WT国。
以前は絶対王政の国だったが、5年前に前の王様が死去したタイミングで新たに「王」ではなく「君主」となったのが今の君主様たちだ。
複数形を使用する通り、この辺の国では恐らく初めての“6人”の君主が居る。
彼らはそれぞれ分権をして統治する分権君主制というものを制定した。
民を思いやり、画期的な政策を打ち出す彼らに最初こそ国を離れる者もいたけど、
着々と実績を重ね潤っていく国を見て、今では外国からの移住希望者が後を絶たないほどまでに発展を遂げた。
ただ、ここ1年の間に打ち出された政策は今までとは真逆の、民の存在をまるで無視したような重苦しい税や労働を課すものばかりだった。
当然活気を失った民衆の生活水準は少しずつ低くなっていく一方、
国勢あっという間に底辺へと落ちていった。
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そらと。(プロフ) - 天音さん» あら、それは運命ですかね、、、また見つけてくれてありがとうございます。頑張りますね！ (2022年3月4日 7時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - まだログインもしてなかったし、お気に入り登録とか知らなかった。そんな昔にみたお話...、のはずなのにまた見つけられた...？！このお話はおもいでの作品のうちの1つです。無理せず頑張ってくださいね！！！ (2022年3月3日 0時) (レス) @page9 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» フォローありがとうございます！！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
狛犬 - お手数かけてすみません！アカウント名は「狛犬 @nTdKEqUijhOcqHZ」です誤字ってたらすみません！ (2021年11月16日 18時) (レス) id: 0666cd5f1f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» うーん、、、一応私のプロフにもHPの欄にURL載せてるのでそこから飛べなかったら私がお迎えに行きますのでユーザー名など教えて頂けると嬉しいです！ (2021年11月12日 17時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年9月20日 3時
