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女性の顔は迷いに満ちていた。
きっと彼女のこれから発する一言は私にとって不利益なものだろう。
それは彼女のもたらした返答までの沈黙と、その迷いが教えた。
「貴方...本当にここでメイドになる気はないかしら？」
『ありませんね』
間髪入れずに答えを出す。
私の何にそんな才能を見出したかは.....あぁ、いや、才能を見出したわけではないか。
仮にそうたとしたら彼女がこんなに迷うわけがない。
『私をメイドにすることは賭けなんですよね？
下手をしたら私の命は無い。それで済めばいいが、現状がもっと危うくなる可能性もある。
それは私にとって何の利益も生まれない。違いますか？
侍女長様。ここで長を務めるということは、それなりにいいお家の出であるとお見受けいたします。
しっかりと学を積んで、社交界を知る貴女なら私よりもっと分かっているでしょう。
世の中の基本は「損益」だということを。』
貴女の思ってることは私を生贄にするのと同意だ。
最後にそう付け足すと彼女は再び俯いてしまった。
「.......たった1年。君主様たちは見違えるほど変わってしまった。
最初は些細な違和感からだったのよ....」
ぽつり、と零す言葉を黙って聞き入れる。
かつての君主様たちは聡明で明るくて従者にも気を使ってくれる見本のようないい人たちだった。
しかし、この1年で彼らは少しずつ綻んでいった。
暴力に始まり、怠惰、人間不信、言動の不一致、無茶な命令、無謀な政策。
決して手を上げなかった従者にさえ手を上げ、酷いときには殺すようになった。
ずっと側で仕えてきた彼女にはその変化が信じられなくて、何か原因があると考えてはいるものの分からないそうだ。
「Nakamu様は一部の人以外全く信用しなくなったわ。警戒なんて言葉では収まりきらないほど疑り深くなってしまった。なのに貴方は今日初めてあの方に会って言葉を交わして、あまつさえ信頼してるから殺すなときんとき様に釘を刺していた、と言ったわね。
こんなこと初めてよ。紅茶に毒が入っていたなら尚更。」
『私の話が嘘だって思わないんですか？』
「女嫌いなきんとき様がそんな現場に出くわして城から追い出さないケースなんて今までなかったもの。」
一つ合点がいった。
だからあの人は私の事を汚物でも見るような目で見てたのか。
しかし、この国の主要人物だけがこうも様変わりしたとなると何か人為的なものを感じざるを得ない。
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そらと。(プロフ) - 天音さん» あら、それは運命ですかね、、、また見つけてくれてありがとうございます。頑張りますね！ (2022年3月4日 7時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - まだログインもしてなかったし、お気に入り登録とか知らなかった。そんな昔にみたお話...、のはずなのにまた見つけられた...？！このお話はおもいでの作品のうちの1つです。無理せず頑張ってくださいね！！！ (2022年3月3日 0時) (レス) @page9 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» フォローありがとうございます！！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
狛犬 - お手数かけてすみません！アカウント名は「狛犬 @nTdKEqUijhOcqHZ」です誤字ってたらすみません！ (2021年11月16日 18時) (レス) id: 0666cd5f1f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» うーん、、、一応私のプロフにもHPの欄にURL載せてるのでそこから飛べなかったら私がお迎えに行きますのでユーザー名など教えて頂けると嬉しいです！ (2021年11月12日 17時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年9月20日 3時
