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さて、出入口はどっちだろうか？
昨晩は暗かったし、必死だったから道なんて覚えていない。
とりあえず闇雲に歩いていると、曲がり角から何かがドンと音を立てて転がった。
よく見るとそれはメイドの格好をしていて、襟から水色のクロスタイが見えた。
駆け寄って声を掛けると虚ろな瞳で私を見上げた。
ぱっちりとした大きな瞳が可愛らしい小柄な女の子だった。
『あの、大丈夫ですか？』
「だ...いじょうぶ、です....」
明らかに高熱があると見受けられるのにも関わらず彼女は立ち上がろうとする。
しかし、当たり前ではあるがうまく力が入らないようで膝に手をつき、辛そうに息を吐いていた。
『そんな調子でどこに行こうというのですか？
代わりに誰かに頼めないのですか？』
すると彼女は首を重たく横に振る。
そして「助けてくれる人なんて」と自分を抱きしめる様に抱え込み小さく呟いた。
よく見れば彼女の腕や見えにくいが首元に痣があるように見えた。
その他にも擦り傷や切り傷もある。
「....っ」
『あ、ちょっと！』
彼女の境遇を考えているとまた力なく立ちあがり歩き出そうとする。
その手を掴み引き留めると訝し気に眉をひそめて彼女はこちらを振り返った。
『待って！そんな状態で仕事をしたところで粗相をするに決まってる！
用件は何？私が代わりに伝えられるならそうするから！』
「..........お茶を.....」
『お茶？』
「Nakamu様に.....お茶を......そうじゃないと....」
そう言い終えると魂が抜けたように彼女は目を閉じ、その場に座り込んでしまった。
彼女を抱え上げて周囲を見渡すと確かにティーポットとカップが載ったワゴンが彼女が出てきた廊下の少し先にあった。
廊下の先に扉は一つ。重厚そうな扉にはパンダのレリーフ。うん、すっごく嫌な予感がする。
『代わりに用件伝えるって言ったし....』
丁度近くを通りかかった兵士に彼女を預け向き直る。
つい10分ほど前の経験でこの国の君主様の程度は知れてしまったから、本当は行かないのが身のためだろう。
とはいえこのまま見ないふりをしてしまったら、彼女の命はないかも知れない。
私のせいで誰かが殺されるのは、嫌だ。
ワゴンを押して扉の前に行く。ついでにさっきの兵士にここがNakamu様の部屋かとは確認を取った。不審そうな顔をされたが、咎められないのでよしとした。
ノックだけが響き渡る。
扉の前に兵は居らず。ただ静かだった。
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そらと。(プロフ) - 天音さん» あら、それは運命ですかね、、、また見つけてくれてありがとうございます。頑張りますね！ (2022年3月4日 7時) (
レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - まだログインもしてなかったし、お気に入り登録とか知らなかった。そんな昔にみたお話...、のはずなのにまた見つけられた...？！このお話はおもいでの作品のうちの1つです。無理せず頑張ってくださいね！！！ (2022年3月3日 0時) (レス) @page9 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» フォローありがとうございます！！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
狛犬 - お手数かけてすみません！アカウント名は「狛犬 @nTdKEqUijhOcqHZ」です誤字ってたらすみません！ (2021年11月16日 18時) (レス) id: 0666cd5f1f (このIDを非表示/違反報告)
そらと。(プロフ) - 狛犬さん» うーん、、、一応私のプロフにもHPの欄にURL載せてるのでそこから飛べなかったら私がお迎えに行きますのでユーザー名など教えて頂けると嬉しいです！ (2021年11月12日 17時) (レス) id: bc516da084 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらと。
| 作成日時：2021年9月20日 3時
