フウセンカズラ【ワールドトリガー】 (ページ6)

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4.不幸を呼ぶ子ページ6

「こんなに色んなことがあったから…親戚の人たちも嫌がって私を引き取りたがらなかった。不幸を呼ぶって。」

私は影浦くんを無視して話し続けた。

「学校では陰湿ないじめを受けた。先生も私を嫌がったの。」

「ちょっといいか？」

突然村上くんが遮った。

「ん？」

「桐山は蓮ノ辺に住んでいたんだよな？」

「……嗚呼…その頃には一旦三門市に住んでたんだ。戸籍謄本を調べれば分かる。あまりにも酷い目にあったから三門に引っ越したんだけど…タイミングが最悪だった。」

「なるほど」

私は深呼吸した。

「第一次侵攻のあと、暫くは四塚市で一人暮らしをしていたけれど、ボーダーから呼び出し状が来て、｢特定保護の対象です｣って言われたんだよ。」

「いつ頃だ？それは」

「高校一年生の冬。だけどその時は断った。これ以上他人を巻き込むわけにはいかないって思って。だけど、一度近界民に追いかけ回されたこともあって…」

あの時の感覚は思い出したくない。

「ふーん、で、痺れ切らして三門市に来たと。」

「うん。」

暫く気まずい沈黙が流れた。

「そろそろ5限が始まる。教室に戻ろう。」

村上くんの一言で私たちは我に返った。

「歩けるか？その足で」

穂刈くんが心配してくれているが…

「平気だよ。3人ともありがとね。今度なにかお礼する。」

私たちは急ぎ足で教室に戻った。