フウセンカズラ【ワールドトリガー】 (ページ4)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:35,888 hit

2.昼休みページ4

昼休みだ。

早くこの教室から出ないと質問攻めにあう。そんなのまっぴらごめんだ。

「桐山さん！誰とご飯食べるの？」

「桐山さん！私たちとお話しようよ！」

嗚呼、めんどくさい。本当は上辺だけしか興味ないくせに。

そんなことを考えていると

「桐山さん、ちょっと来て。」

キツそうな女子に声をかけられた。逆らうと面倒かな。

「分かった。」

適当に応じて少し後ろを歩いた。

連れてこられたのは校舎裏だ。またベタな…

「悪いけど、あんた、目障りなのよ。」

どうしてこうなる。

「私、何かした？」

「そういうのらりくらりしてるとこがムカつくの。」

勘弁して欲しい。転校初日でこれは我ながらツイてないと思う。

周囲に人気はなし。だが囲まれている。

「どうすれば満足してくれるの？」

「え？」

「だから…どうすれば満足すんのかって言ってんの。私、めんどくさい人と関わるのは嫌いなの。時間の無駄でしょ？あんた達みたいなクズは一番嫌い。今回は私が負けてあげるから、早くして貰える？」

ほとんどの人がぽかんとしている。

「あんた…自分の立場分かってんの!?」

主犯格が私の制服の胸ぐらを掴んだ。

「立場が分かっていないのはそっちでしょ？」

「この…ふっざけんな!!」

強かに壁に打ち付けられた。痛みと衝撃で息が詰まる。

「……っく…」

「偉そうなこと言ってんじゃないわよ」

「おいお前ら」

彼女の話を遮ったのは…

「!?」

「か…影浦!?」

影浦くんだ。

「か…影浦くん…」

「てめぇは喋るな。」

どういうこと？意図が読めない。

「な…なんだよ…あんたらには関係ないだろ!!」

そう、影浦くんは一人じゃなかった。

「あ？俺のこと怖がってるビビってるくせに調子乗ってんじゃねぇぞ雌ども」

女子達の中には震えて後ずさる子もいた。

「今なら見逃してやる。とっとと散れ。」

主犯格が舌打ちしてどっかに行ってしまったので他の子たちもぞろぞろと消えていった。

「桐山、大丈夫か？」

「無いか？怪我は」

声をかけてくれたのは村上くんと穂刈くんだ。

「ありがとう、平気。」

「嘘つけ」

影浦くんが屈んで私と目線を合わせた。

「足見せろ。」

凄いな…気づいてたんだ。

「………どうして分かったの？」

「見てた。」

なんと彼らは廊下の窓からたまたま見ていたらしい。