フウセンカズラ【ワールドトリガー】 (ページ11)

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9.好き？嫌い？ページ11

夢主side
6月4日。私が転校してきてから2ヶ月がすぎようとしていた。

「影浦くん」

「なんだよ」

「誕生日おめでとう」

結構がんばってプレゼントを考えたのだ。喜んでくれるかな…

「！」

影浦くんが包みを開くと

「手ぬぐい？」

「料理する時にその髪は邪魔でしょ？いつもタオル頭に巻いてたから…」

「ハリネズミの柄は？」

「私のセンス」

暫く黙っていたが

「今日うち来い。」

「定休日じゃないの？」

「いいからうちに来い。」

「分かったよ。」

なんかでも見た感じちょっと嬉しそう？かな？

放課後
付き合ってもいないのに一緒に帰るのも何度目だろうか。

随所で私たちが付き合っているという噂があがっているらしいが私は全く気にしていない。当真くんから聞くまで知らなかったのだ。

「なあ」

「ん？」

「俺ら付き合ってるって噂流れてるらしいぞ」

「らしいね」

影浦くんそういうの気にするんだ。と言うより多分噂されてるの分かるんだ。

「……お前噂とか気にしねぇのな」

「他人に興味がないの。他人を素人思っても、見えてくるのは性悪な内面だったりする。」

私は少し前を歩いて振り返る。

「私は影浦くんの心が優しいところ、好きだよ」

「!?」

影浦くんは不意をつかれたような表情を浮かべた。

「お前…いまの…」

「？なに？」

何か言いかけて辞めてしまった。

そのまま暫く黙っていたが

「おい……」

「……なに？」

足を止めて目をしっかり合わせると

影浦くんは真っ赤になっていた

「す…す…好きだｯ…！」

「え？」

え？なに？すき？

「てめぇが好きだよｯ!!」

え？コイツでかい声で何言ってんだ。

「すき？私が？」

状況把握に手間取っていると

強く抱き締められた。

「え…えっと…」

「嫌なら突き放せ」

どうしよう…嫌って言うより…

「いや、むしろ心地いい。」

「は!?何言ってんだお前!?」

彼は顔を真っ赤にして飛び退いた。

「ありがとう、私も…」

今度は影浦くんがきょとんとする番だった。

「影浦雅人、君が好きだ」

そして耳まで赤くなった。