クソガキ【ワールドトリガー】 (ページ7)

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クソガキ 5 ページ7

「あ、」

「「あ、」」

廊下にいたのは…太刀川と風間くんだった。

「迅は？」

「会議室」

まだ終わらないのか…

「紫苑さん」

「なに？」

「何故今回、紫苑さんは迅の味方についたんですか？」

ここでもそう聞かれるか…

「私は近界民の味方も迅の味方もしたつもりは無いわ。」

「じゃあ…」

「私は太刀川と遊びに来ただけ。」

太刀川は格子状の目を輝かせた。

私は小さくため息をつくと、自販機でカフェオレを買った。

「どしたのさ、ため息なんてついて」

「…………いや、何でもない。」

結局言い出せなかった。

「やあ、みんなお揃いのようで。」

そこで迅が来て、会話が一旦中断された。

三人がいろいろ話してる間に私はいろいろなことを考えていた。

4年半前に死んだ弟は、生きていたら太刀川と同い年だろうか…そんなことを一人で考えていると涙が溢れそうになる。

三輪にあんな偉そうなこと言っておいて、自分はこれだから笑っちゃう。結局私も4年半前から…あの日から何も変わっていない。変わることが出来ていない。

また小さくため息をついたのを自分でも気付いてなかった。

「紫苑さん、送ろうか？」

「………あ、いや、今日は本部に泊まる…」

太刀川の申し出を咄嗟に断ったけど、正直早く一人になりたい。

「じゃ、おれもそうしようかな。」

「俺は一度隊室に戻る。」

「おれは帰る。」

風間くんと迅と別れて、私と太刀川は薄暗い廊下を並んで歩いた。

本部の私の部屋に入ろうとしてふと気付いた。

「あんたどこまでついてきてんの？」

「どこまでも？w」

殴ってやりたい気持ちを懸命に抑えて扉を開けた。

「お子様は帰った帰った。」

「ザンネン、おれハタチでーすw」

今度こそ殴ってやりたいと思ったが懸命に抑えた。

「ハタチでも中身はお子様でしょ？」

すると急に太刀川に腕を捕まれて部屋に引っ張りこまれた。そのままもう片方の手で扉を閉め、鍵をかけ、太刀川は私を壁に押し付けた。

「何すんの。痛かったんだけど。」

「悪いけど、おれもうお子様でもガキでもないから。」

逃げようにも両側が太刀川の腕で塞がれて逃げられない。これが壁ドンか…何も興奮する要素がない。

「おれは大人の男。紫苑さんはずっとおれをガキ扱いしてたけど、おれはもうハタチなんだよ？」

ダメだ。この目は本気だ。