クソガキ 1 ページ3
「……わ、あれ、S級の紫苑さんだ…」
「マジで？めっちゃキレー…」
本部に来いって言われたから仕方なく来たが
「わぁ、カッコイイ…」
「こっち見ないかな〜…」
S級隊員はいつからアイドルになったのかしら。
「…………」
じろりと騒ぎの方を見やるとピタリと止まってしまった。あー、面白い。
実は今、私はとっても機嫌がいい。
何しろ今クソガキは遠征中だ。
会う度に｢紫苑さーん！おれのなまえはー？｣とか言われなくて済むのだ。まあ、その度に｢失せろクソガキ｣と言ってやるけど。約束？そんなもの私が守るわけないw
とにかく今私は上機嫌だし、本部を徘徊することになんの抵抗も…
「っ!?……ちょっと!!何すんの迅!!」
あった。
「いやぁ、太刀川さんいないうちに思う存分触っとこうかな〜ってw」
「ぶち殺すぞ」
このセクハラエリートめ。
「会議室、行くんでしょ？おれも呼ばれてるんだよね〜。一緒に行こ？」
「嫌よ。セクハラエリートと一緒には歩けないわ。」
結局一緒に歩くことになる。
「失礼します！迅悠一、お召により参上しました！」
「失礼します。」
会議なんて聞くつもりは更々…
「だれ？あんた」
「C級の三雲といいます。」
「ふーん、あっそ」
なんでC級がこんなとこに…
結局私は一応呼ばれただけだった。なに、一応って。馬鹿にしてんのか？
でも、次の日にボーダー泣かせのイレギュラーゲートの原因が分かったり、その次の日には三輪隊が人型近界民と戦って負けたりもういろいろありすぎて訳わかんない。
そして、私にとっての最大の脅威が迫ってる。
クソガキが帰ってくる。帰ってくるのだ、もうすぐ。
困ったなぁ…
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作者名：姫蘭華 | 作成日時：2019年12月31日 23時
