クソガキ【ワールドトリガー】 (ページ19)

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クソガキ 17 ページ19

大丈夫、根拠はないけどいける。

すごい力を秘めた人型が霧の中を走ってくるのが分かる。

相手もおそらく王手をかけるつもりだろう。

私は念じた。大きな陣を描かなくてはならない。

こんなに大きな陣を描くのは久々だ。

前方から誰が突っ込んで来る。

思ったより足が早く、三雲を狙っているのがバレバレだ。

「『我が敵に天罰を』」

陣は描けたが詠唱が間に合わない。

「黒トリガー使いか…そこを退け!!」

人型の攻撃は私の周りを取り巻く煙に巻かれてしまい、なんの効果もなさない。

「!?」

その表情には明らかに焦りと苛立ちが見え、とても愉快である。

次の瞬間

「!?な…なんだ…!?」

人型に斬撃が入っていた。風刃だ。

迅じゃない。

私の霧は風刃の使い手をハッキリと私に物語っていた。

「ナイスだ三輪。」

私は大きく息をすい、足を止められた人型の足元に陣を描いた。

「暗黒の処刑を降してやろう………『ライトニング・デス』!!」

陣の上に真っ黒な雷が一筋落ちた。

雷鳴と衝撃が辺りの地面を揺らし、警戒区域の空気を震わせた。

「っ…なんなんだ…このトリガーは…」

人型はボロボロの身体を起こそうとしたが、

「動けるはずないわ。それは呪いの陣だから。」

私はつま先で陣をトントンと叩いた。

「………貴様…何者だ!?」

「何者…？」

鎌の刃を撫でる私に敵将は苛立ちを隠しきれていない。

「そんなの私が知りたいわ。ところで…デスサイズって知ってる？」

「？」

やはり近界民には通じないか。

「死神の鎌のこと。デスサイズはなんだって斬れるのよ。」

「!?」

さっさと狩ってしまおう。

「近界民だって」ﾆﾔﾘ

私は鎌を振り下ろし、敵将を落とした。