甘く、苦く (ページ34)

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錦戸サイド

錦戸「ごめん。ごめんA。俺、Aのこと思い出したり、声聞いたらどうしても会いたくなってまうから、だから我慢してた、連絡もせずに仕事ばっかりしとった。」

「仕事って、あの女の子と？私と会わない間も会ってたんでしょ？」

俺の本音を聞いてもAの不安は拭えないらしくて、目を真っ赤にさせて訴えかけてくるAにキスをした

錦戸「信じてA。信じられへんかもしれん、こんな仕事やし、こんな性格やし。けど俺自信持ってAのこと好きやって言える。こんな職業やから周りに言って回ることなんて出来ひんけど、今すぐ世界中に自慢したいくらいAが好き。ほんまに、ほんまにAだけがずっと好き」

唇を離して伝われ、とAの目を見てそう告げると、また1つAの目から涙が零れた

「私だって亮くんが好き。もうこの際何番目でもいいよ」

錦戸「アホ。一生1番やわ。なあ、もう一緒に住も？」

アホなこと言うAに俺の本気を分からせたくて、ずっと前から考えとった事を言うとAは驚いた顔をして「いいの？」と聞いてきた

錦戸「逆にええん？って感じやけど。」

「一緒に、住みたい」

ハッピーエンドで終えたあの日のことを思い出しながらとにかく走った

もう1日でも会えへん日あったら辛いのに

出ていかれたらどうしよう、とか今回こそ信じて貰えへんかったら、とかネガティブな考えで埋め尽くされてる頭ん中

錦戸「A！！！」

電気のついてた部屋に急いで入ってAを呼ぶ

リビングで泣いてるやろか、って焦ってリビングに入ったけど目に入ったのは想像もしてなかったAの姿で

いつも通り、部屋着でお酒片手にテレビを見てて、俺に気付いて「おかえり～」とニコニコしてる

あれ？

「今ご飯あっためるね。お風呂先入る？」

錦戸「なあ、A、記事、」

「あ、見たよ。大丈夫だよ、私が亮くんの彼女だもん。毎日亮くんが家に帰ってきてくれてること分かってるし、大丈夫。」

俺の言葉に被せるようにそう言ったAはいつも通りに見えたけど、少し泣きそうな顔をしとった