甘く、苦く (ページ14)

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「先輩、」

丸山「Aちゃん、大丈夫？」

急いで家の外に出ると心配そうに眉毛を下げながらそう聞かれて、申し訳なくなる

「大丈夫です、なんで家の前まで来てくれたんですか」

なんとか話をそらそうと出た言葉はなんかすごい自意識過剰なやつみたいで恥ずかしくなる

「あ、ごめんなさいどこか行く途中でした？」

丸山「ちゃうよ、Aちゃんに会いたかってん」

「え？」

丸山「会いたい一心で走ってきた」

え、なにこれ勘違いしろって言われてる？

丸山「Aちゃんは僕に会いたくなかった？」

私の動揺に追い討ちをかけるようにそう聞いてきた丸山先輩はずるい

「ほんとは、具合悪くなんかないです。」

丸山「…………今日、中庭行く途中の裏道通った？」

「え、なんで」

私の言葉に知ってましたと言わんばかりにそう言う丸山先輩

丸山「僕、あの子とさよならした後Aちゃんかなっていう後ろ姿見えてん。そん時は確信なかったけど中庭いって待っても待ってもこうへんからあの後ろ姿はやっぱりAちゃんやったんちゃうかなって思って、そしたらもう焦ってもうて取り敢えず会って話したい、誤解だけはされたくないって思って家の前まで来てもうた」

丸山先輩の話にもうドクンドクンと心臓が潰れそうで反応すら出来なかった

丸山「Aちゃん、好き、です。こんなアホな僕やけど付き合ってくれませんか」

「、、わたしも、です。うわっ」

わたしが返事をした途端ぎゅっと抱きしめられてびっくりする

丸山「ふふっ、Aちゃん、びっくりしすぎやん。僕、気付かれてると思ってたのにAちゃんの事好きって」

「気づくわけないですよ、、」

先輩人たらしですもん

なんて言える訳なくてそれだけ言うと

丸山「わかりやすくアピールしてたはずやねんけどなあ」

って分かりやすく落ち込んだ声が聞こえるから先輩の顔を覗きこんで

「これからは分かりやすくお願いします」

って言うとチュッと軽くキスされて

丸山「もういいって言われても分かりやすくするから覚悟しときや」

って初めて見る顔でそう言われて、さっきとは違う意味で心臓が潰れそうになった