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珈琲香る職員室の前で勇太を待つ。
出し忘れていた数学のワークを持ち歩きながら
他のクラスの男子と話していたようで
職員室に向かおうとクラスの前を通ったら
私がまだ残っていたことに気付き声をかけたらしい。
しばらくして静かに扉が開き
戻ってきた勇太と並んで校舎を歩いた。
「 勇太あのね 」
ポケットに両手を入れて階段を降りていく勇太に
数歩後ろをついていく私が声をかけると
足を止めて不思議そうに振り向いた。
「 廉とはもう一緒に帰らないんだ 」
「 どうして？ 」
「 応援してくれるんだってさ 」
「 何を？教えて 」
「 それはまだ教えない 」
少し意地悪して立ち止まった勇太の横を過ぎれば
「 何か奢ってあげようか？ 」なんて物で釣ろうと
するから「 遠慮します 」と笑って誤魔化した。
校舎を出ると外はすっかり暗くなっていた。
空に広がる青のグラデーションがとても綺麗。
「 一人で帰らなくてよかったな 」
変わらずポケットに両手を入れて歩く勇太は
そんな外の世界を見渡しながら言った。
「 てか教室の前通って正解だった 」
「 通らないつもりだったの？ 」
「 もしかして残ってるかなーって。Aが 」
「 当たったね 」
「 うん。嬉しい 」
暗闇に浮かぶ白い歯の輝きで分かる彼の気持ち。
その気持ちにまだ気付かぬふりをしながら
駅のホームまでやってきた。
吹き抜ける風が冷たくて思わず身震いする。
隣で向こうのホームを見つめていた勇太が
そんな私に気付いて一歩分こちらに近付いてきた。
「 足寒くない？ 」
「 寒い。何なら全身寒い 」
「 パンツ見えちゃうしスカートの丈下げたら？ 」
「 ギリ見えないから大丈夫 」
「 女子って変なとこで意地張るよな 」
言いながら私の後ろに回って何かを確認している。
「 もしかして見ようとしてる？ 」
「 ばか。他の人に見えないか確認してんの。
ま、リュックでガードされてるから大丈夫だけど 」
寒さか照れか、デジャブのように耳がピンクになる。
「 勇太ってすごい私のこと気にしてくれるよね 」
「 気にするって言うか、気にしちゃう 」
点字ブロックを左に向かって目で追う彼は
「 大切だから 」
そのまま視線を重ねて微笑んだ。
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しおり(プロフ) - 永瀬落ちだと思って読んでたけどもしかして神宮寺落ちなパターンだったりしますか…？ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - ワタシスキナヒトガイルノって何語ですか…？オイシイノ？（は？） (2020年10月8日 22時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2020年10月5日 18時
