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勇太も同じタイミングで課題が終わったようで
机に置いていたノートやシャーペンを片付け
リュックを背負う体勢になっていた。
「 ねえ勇太 」
「 どした？ 」
「 一緒に帰らない？ 」
「 え、まあいいけど…友達はいいの？ 」
きちんとリュックを背負って机に腰掛ける。
「 うん。待ってて。片付けるから 」
クッキーの箱を紙袋に戻し、ノートは机の中へ。
リュックを背負って紙袋を右手に持つと
私達は自然と廊下に向かって歩き出した。
外から聞こえる部活動の声を聞きながら
こうして並んで歩くのはきっと初めてで、
重なる足音だけが廊下に響いていた。
外に出ると灰色の空が町全体を覆っていて
今にも雨が降り出しそうな雰囲気。
「 傘持ってる？ 」
校内とは違ってほんの少し足早の勇太が問う。
「 折り畳み傘なら 」
「 Aが濡れないならよかった 」
「 もし降ってきたら勇太も入りなよ。
少し小さいから肩濡れちゃうかもしれないけど 」
「 俺の心配はいいから。風邪引かれちゃ困る 」
言いながらポケットに手を入れて眉を下げた。
「 まあ、降る前に駅に着けばいいんだよ 」
「 そうだけどさあ 」
「 気にすんなって 」
かっこつけてるのか素で思ってるのか不明だけど
勇太は気遣ってくれる紳士的な部分がある。
「 …あ、降ってきた 」
そう思った直後に雨粒が落ちてきた。
慌ててリュックの中から折り畳み傘を取り出して
頭上で雨をカバーする。
「 勇太も！入って！ 」
右腕をグイッと引っ張って傘の中へ引き寄せた。
内側の肩が触れないと外側が濡れてしまうくらい
小さな折り畳み傘。
「 …気になんないの？ 」
「 このプレゼントと勇太が濡れないなら
リュックとか私が濡れても全然気にならないよ 」
「 そうじゃなくて。俺と相合傘することだよ 」
隣を見るとすぐそばの右耳が赤くなっていた。
「 もしかしたら誰か見てるかもしれないのに 」
「 すれ違わない限り誰も私達って分かんないよ 」
「 正論言うなよな 」
何だかんだ言って私の歩幅に合わせてくれる彼は
さりげなく私の方に傘の面積を増やしていた。
それに気付いたのは駅に着いて向かい合った時に
左肩が随分と濡れていたのを目にした時だった。
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しおり(プロフ) - 永瀬落ちだと思って読んでたけどもしかして神宮寺落ちなパターンだったりしますか…？ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - ワタシスキナヒトガイルノって何語ですか…？オイシイノ？（は？） (2020年10月8日 22時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2020年10月5日 18時
