. ページ15
.
放課後
永瀬くんとはいつもより遅い電車に乗る予定を
していたので、のんびり過ごすことができる。
チャイムが鳴ってすぐ準備をする私を知る勇太は
席について授業中に出された課題に手をつける私が
不思議だったのか、自分も帰ろうとせず無意味に
自分の席の机に腰をかけてスマホを見ていた。
「 A 」
「 んー？ 」
「 帰んないの？ 」
「 課題持ち帰るの嫌だからやってこうと思って 」
「 そっか。俺もやってこうかな 」
「 珍しいじゃん。勇太は？お菓子目当て？ 」
椅子を引き、こちらを向いて座る勇太に問う。
「 何となく 」
「 ふーん。小腹空いたな〜って思ったりする？ 」
「 クッキーくらいなら食べてもいいかな 」
やっぱり食べたかったんだと内心笑いながら
机脇にかけていた紙袋からクッキーの箱を取り出し
開いている課題の上で丁寧に開ける。
数種類のクッキーが現れてひとつ口にすると
上に小さく乗ったイチゴのジャムが広がった。
勇太はその隣にあるチョコ味のクッキーを食べる。
「 うまい 」
「 よかったね。こっちも美味しい 」
「 喜んでもらえてよかった。もう一つ食べていい？ 」
「 私のだけどいいよ 」
「 遠慮なく 」
抹茶味のクッキーを頬張ると口元を押さえながら
もう一度「 うまい 」と喜んだ。
小腹を満たした勇太も課題に取り掛かる。
永瀬くんと約束の電車時間までまだ30分はある。
勇太がどのタイミングで帰るのか分かんないけど。
しばらくしてスマホが鳴った。
画面に映る永瀬くんの文字に席を立ち電話をとる。
『 A先輩ですか？永瀬です 』
「 どうしたの？ 」
『 ほんまに申し訳ないんですけど
一緒に帰れなくなっちゃいました 』
廊下に出て窓の外を眺めるとグラウンドで
サッカー部や野球部、テニス部等が活動していた。
『 俺の都合ばっかでほんまに申し訳ないです。
また何か奢るんで許してください 』
「 そんな気にしないで。それに奢らなくていいし 」
『 そこは奢らしてください。
…じゃあ先輩、また明日一緒に帰りましょね！ 』
「 うん。気をつけてね。ばいばい 」
電話を切って教室に戻る。
丁度課題も終わったから片付けるだけだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおり(プロフ) - 永瀬落ちだと思って読んでたけどもしかして神宮寺落ちなパターンだったりしますか…？ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - ワタシスキナヒトガイルノって何語ですか…？オイシイノ？（は？） (2020年10月8日 22時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いと | 作成日時：2020年10月5日 18時
