僕の半券* (nkmkir) ページ45
DDC捏造祭り
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side nkm
急な来園客を無事サーカスから逃がした後、僕はまだこのサーカスに残っていた。
奪われてしまった半券を取り戻さない限りここからは出られない。
と、伝えたが、実は半券の場所は既に知っている。
なのになぜここに?と思うかもしれないが、僕の悲願はまだ果たされていない。
ほんとに、ステッキを落とすなんておっちょこちょいだな。
サブのステッキ1本持っときなって言ってなかったらあのまま命を落としていたかもしれないんだよ。
kir「っ...なんで...ここに...?」
脚から血を流して壁にもたれ掛かる団長。
nkm「なんでって、そりゃ来ますよ。団長のピンチだし」
kir「そうじゃない...っ、お前だろ...?あれを逃がしたのは...」
あれって...全く...最初からそのつもりだったのか。
良くないなぁ。
動物さん達もいるんだし、それに僕もいる。
まだ欲張るつもり?
nkm「いらないでしょ。あんなの」
kir「私を、殺すつもりか...?」
nkm「えー?信用ないなぁ。僕はそんなことしないですよ」
脚に僕の衣装からちぎった布を巻き付けてきつく縛って止血する。
応急処置だけど、団長がステッキを落としていなければこの怪我はしていなかっただろうから、自業自得ってことで。
kir「恨んでるだろ...私を...私は、お前たちを...っ...」
nkm「僕はね、今更復讐しようだなんて思わないですよ。魂を入れ替えられた彼等が帰ってくる訳でもない」
kir「...」
バツが悪そうに顔を背ける団長の顔を掴んで僕の方へ向かせる。
手当てをした時に付いた彼の血が彼の顔を汚す。
nkm「知ってますよ。僕の半券だけ火に焚べようとしてたこと」
kir「っ...!なんで...」
nkm「その後大事そうに、内ポケットに仕舞ったことも」
団長のジャケットの内ポケットに手を入れるとすぐにそれは僕の手に触れた。
取り出せば間違いなく半券で。
kir「それはっ...!いやだ...」
nkm「これがそんなに大事ですか?」
kir「大事だよ...それを持って帰られたら...」
nkm「ならこうしましょうか」
小さな半券をさらに細かく破く。
もう、これで僕は帰れない。
サーカスから、出られない。
kir「ぇ...」
nkm「本気で出ようと思ってたらとっくに出ていってますよ。詰めが甘い団長さん」
僕はもう、貴方に絆されてしまっているんだから。
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