#仲直り(shk×nkm) ページ40
nkm side
「シャークんそれ!!米!!」
「え?なに?米が?」
「米!鍋に入れて!!」
「鍋?どこ?」
今俺たち二人はゲームをしている。
その名もオーバークック。レシピ通りに具材を調理し、提供する。するとお金が貰える。そのお金でノルマを越えることを目標とした協力ゲームだ。
昔にもやったが、シャークんと俺は全く息が合わなかった。でも恋人同士の今なら合わせられるかもしれない、と思いリベンジしているわけだ。
しかし見てもらえば分かる通り、中々上手くいかずこの有様だ。
そうこうしているうちにタイムアップになってしまった。
「右下だって!!あっ、…はぁーもぉ〜」
「何やったらいいか分かんないんだけど」
「何度もやってんじゃん。なんで分かんないの?」
また喧嘩が始まってしまいそうだ。
上手くいかないとイライラしてしまって当たってしまう。頭ではダメだと分かっていても中々直せない。
たかがゲーム、されどゲーム。俺はゲームに対しても本気で取り組んでしまう性格なのだ。
だからなのだろうか、何事にも本気で取り組む彼とぶつかりやすいのは。
「なかむが一から教えてくれりゃいいじゃん」
「自分で分かんだろ!!」
「だから分かんねぇって言ってんだろ!!」
「っ…!マジでお前のそーゆーとこ嫌いッ、!?」
言葉が終わる前に手首を掴まれた。
眉間にしわを寄せ、いつもより悪くなった目つきで俺を睨む。
その瞬間、自分が何も考えず発言してしまっていたことに気付いた。
もしかして…怒ってる…?
「取り消して。」
「え、なに、」
「さっきの言葉、取り消して。」
もしかして嫌いって言ったの気にしてる…?
いや、シャークんに限ってそんなこと…
「バカって言ったこと?」
「それじゃない」
「じゃあ…嫌いって言ったこと?」
『嫌い』その言葉を発した途端、口を噤んでしまった。
彼は俺を見つめて俺の視線を離さない。
「…。」
「…ごめん、嫌いって言って…嘘だから…」
「嘘ならなに?」
少し手首の握る力が緩んだのが分かる。
彼は思った以上に俺の言葉を気にしてるらしい。
でも嘘って証明するなら…ひとつしか無くない…?
「え、…すき…?」
「…俺も好き。」
手を離し、流れるように両者の指を絡める。
照れくさそうに笑う彼に感化されてしまったのだろうか。
手全体から伝わってくる熱が耳へ、頬へと広がる。
「お前っ…!そんなデレんの…!?」
そんな衝撃で喧嘩のことなんて忘れてしまって。
ほら、もうとっくに仲直り。
重要なもの* (smkin)→←こっちの気持ち* (nkm+sm×kin)
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