#名前(br×kir) ページ28
kir side
「ねぇ〜！！今のは僕じゃない！きりやんのせい！！」
「今日のきりやんおもれ〜！」
「きりやん！」
同じグループメンバーのBroooockは何かと俺に絡んでくる。
ゲーム中、雑談中、SNSのリプライ、その他諸々。
うるさいし、めんどくさいことが多い。でもたまにオモロい時もあるから、憎めないのが本心だ。
ある日を境にBroooockは多忙になり、動画撮影を休むことが多くなった。
「今日は？誰がいる？」
「ぶるっく以外かな？」
「あの人最近忙しいからしょうがないね」
じゃ、撮影始めるよ〜なんて言いながら招集するひょっとこリーダーNakamu。
今日もいつも通りの動画撮影が始まった。
なんか、物足りねぇな…
撮影が終わり、撮影のグループから抜けてオフラインにする。
気付けば自分の手はスマホを取り、緑のアイコンのアプリを開いていた。
『つわぼ』
…俺は何を期待してこんな事してんだ。
スマホを身と共にベッドに投げたあと、ひとつの大きな通知音が部屋に鳴り響く。
手に取り画面を明るくすると、望んだアイツからの返事だった。
『おけ』
通話ボタンを押し、しばらく待つと緩い声が耳を抜けた。
『やほ〜ん』
「おつかれ」
『おつかれ〜、なんかあった〜？』
彼の何かあったか、という問いに頭を抱える。
コイツ変なとこ鋭いんだよな…
「いや、最近どうかなって」
『最近〜はちょい忙しかもw』
「だろうね」
『いや〜僕ってば人気者で困っちゃ〜う！』
クスッと笑える冗談を投げた彼にはいはい、と冷めた返事を投げ返す。
『あ、名推理披露したいんだけど良き？』
「なんで？w」
『今思ったから！』
「まぁいいけど…なに？」
『僕の名推理聞かせてあげるよ。君さ…』
『しばらく僕の声聞けなくて寂しかったんでしょ』
名推理とはよく言ったもので、それは核心を突いていた。
コイツが鋭いと言ったのはこういう事だ。
Broooockがいない撮影は何かと静かになりやすい。それはそれでいいんだけど、なんでなんだろうね。いつもうるさい、めんどくさいと思ってた声が急に無くなると俺の脳内はこんなにも寂しくなるらしい。
「…」
『あえ？もしも〜し？』
「あのさ、頼みがあんだけど」
『おぉ、なに？』
思い切った要望を投げてみることにした。
「俺の名前、呼んでみてくんない？」
これが俺の伝えられる最大限の表現方法。
ダージリン* (nkm→kinsm)→←ご都合主義の猫ちゃん* (smkin)
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